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理科大入試で学ぶ数学講座 2019理2-1

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今回から2019年度大問2の問題。いやー。2020年度分もあるのに、先が長いなぁ。でも、この解説はエンタメなので許してね。エンタメかつあの頃のボクへのメッセージ。

問題

 

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解説

(1)双曲線と放物線がちょうど2つ共有点を持っているらしい。グラフ的な問題(別名、解析的な問題)は、そのままグラフの特徴を捉えて解くストーリーと、式計算で頑張るストーリー(別名、代数学的に頑張るストーリー)の戦略がある。幾何的な手段とか、一般にこれ以外の戦略(アプローチ) もあるけど、はっきりしたものが見えない場合は、いつでもまずこの2つのどっちかを考えてみる。

 

($y$軸対称である)双曲線と放物線が交わるときを考えても、2元2次式の方程式を解くことを考えても、一般には4つの共有点があるのは明らかだ。そんな中、共有点が2個というのだから、そこには特殊性が宿る。グラフ的には接しているということだし、式計算的には重解を持つということだ。

 

解析的に考えると、共有点が2個というのは、その共有点において接しているということだし、ということは、共通の接線をもつということに他ならない(これは、少なくとも高校数学において微分するということは、接線の傾きを求めるということだし、逆に接しているということは微分することで接線が求まるという思考回路)。

 

双曲線と放物線で2つ同時に接線を考えることは難しいから、片方ずつだして、それが一致したね、というストーリーを組み立てるわけだけど、双曲線のほうが接線考えるの面倒そうだし、どっちでもいいけどひとまず代数的に考え始めてみる(次の問題で接線求めるのが見えているから、ここじゃまだ求めないでしょ的見方もありつつ)。

 

ということで代数的に捉えて、この2つの連立方程式の解が重解であればいい。

つまり、

$$x^2-y^2=1$$

$$y=ax^2$$

この連立方程式の解が2個となるような$a$を考えることにする。

 

双曲線に放物線を代入すると、

$$x^{2}- \left(  ax{^2} \right) ^{2}=1$$

$$\Leftrightarrow a^{2}x^{4}-x^{2}+1=0$$

となり、この$x$についての4次方程式($\because a \neq 0$)が2つの解を持つような$a$というのが求めたい値だ。

 

また、$a>0$のとき

$$x^{2}=\dfrac{1 \pm \sqrt{1-4a^{2}}}{2a^{2}}$$

となるから

$$1-4a^{2}=0 \Leftrightarrow a=\dfrac{1}{2}$$

のとき$x$は2つの解をもつ。

そして、このとき

$$x^{2}=2 \Leftrightarrow x=\pm \sqrt{2}$$

となり、

$$y=\dfrac{1}{2} \times 2 =1$$

よって、Aの$x$座標は正であることから

$$A(\sqrt{2}, 1), B(-\sqrt{2}, 1)$$ 

と求まる。

 

今回はここまで。

もう年末かー。早い。今年はコロナがこんなにも流行っているし、おうちでこたつで数学を。