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理科大入試で学ぶ数学講座 2020理1-(3)

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ようやくカードの問題が終わって、新しい問題。

今回のテーマは

「ちゃんと楽すること考えてますか」

だ。さ、いってみよー。

問題

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解説

 なにはともあれまず問題文の設定どおりに描いてみる。3次元とかだと描くこと自体難儀だったりするけど、2次元なら大抵の場合余裕のはずだ。

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とりあえず毎度おなじみDesmosで描いてみた。

www.desmos.com

 

さて、まず円の方程式を考えてみる。円の方程式に必要な情報は、中心と半径だ。中心はすでに与えられているから、半径さえわかれば立式することができる。

 

この半径を求めるために問題文が与えている条件は、

二次関数と円が異なる2つの点A、Bで接している

ということ。この問題においては、この部分について親切にも

共通接線をもつ

という説明までつけてくれている。

 

ということで素直に円の接線と二次関数の接線を求めて、それが同じだよと連立してみれば答えが求まることは想像がつくところだ。

 

これをやればまー問題を解くことはできるかなと保険を得つつ、もうちょっと簡単な別解ないかなと考えてみる。

 

「二次関数」と「接する」ということはあまり特別なことはないんだけど、

「円」と「接する」だったら円の中心から接点に線を引くと接線と直交するという中学校からおなじみの性質があることを思い出す。これを使ってみよう。

 

ここでふと立ち止まる。

 円の中心から接点に線を引くと接線と直交する

 って、どうやって数式に翻訳するのよ、と。さっきの接線が重なるという表現ならば、二つの接線を求めて、実は同じ式なんだよね、ってことで計算ができる。しかし、この日本語表現はどう数式で表現できるんだろう。

 

ボクらは今座標面上で問題を考えている。そこで使える武器はもちろん「座表面上で有効な武器」になるわけだけど、その中でも見落としがちなものがベクトルとか複素数あたりだ。こういったところも含めて、脳内辞書検索で「直交」という言葉を探してみる。

 

すると、

直交するベクトルは、内積が0

がヒットする(それ以外もあるけどね)。これを使ってみよう。

 

ここで抑えておきたいのが、直線とベクトルの関係だ。ここをわかっていないと座標系でベクトルを絡めることが難しい。

$$y=ax+b$$

という直線があるとき、ベクトル$\left(  1,a  \right)$はこの直線と平行

となる。いわれてみれば当然で、傾きってなんだっけと思い返すと、$x$軸方向に1進んだときに$y$軸方向にどれだけ動きますかというものだったからだ。

 

 ということは。今、円の中心をCとすると、$\overrightarrow{CB}$と接線は直交することから、傾きベクトルとも直交するわけで、まずはそれぞれを求めてみよう。

 

接点を$(t,t^2)$とおくと、

$$\overrightarrow{CB}=\left( t-0,\ t^2-\dfrac{3}{4} \right)= \left( t,\ t^2-\dfrac{3}{4} \right)$$

 となり、接線の傾きは微分係数(微分して$t$を代入)だから

(1, \ 2t)

となる。これらの内積が0なわけだから、

$$t+2t \left( t^2 - \dfrac{3}{4} \right) =0$$

 $$\Leftrightarrow t()(2t+1)(2t-1)=0$$

となり

$$t=0, \ \dfrac{1}{2}, \ -\dfrac{1}{2}$$

と求まる。

 

これで接点がわかったわけだけど、ボクらが欲しかったものは円の半径だ。でも、いま円の中心もわかっているわけで、半径なんて距離公式を使っても中学数学的な初等幾何を使っても

$$\frac{1}{\sqrt{2}}$$

と求めることができる。これで円の方程式は

$$x^2+\left( y - \dfrac{3}{4} \right)^2=\frac{1}{2}$$

と求まった。

 

続いて$C_1$の面積を計算しよう。

この面積を求めるためには円の弧の部分の関数から二次関数を引いたものを積分計算して・・・なんてことはやってはいけない。積分計算は泥臭く計算するのは最終手段だ。すべての積分は計算可能なわけではないし、計算できたとしても煩雑な式の場合は計算ミスの可能性がとても高くなる。

 

ボクらは小学生のころから面積計算をし続けている。いままでやってきたいろんな手法を捨てて、一番面倒な積分計算にすべてをゆだねるのは愚かな行為だ。できるだけ初等幾何とかそれに準じたところの計算でできるように組み合わせを考えて、積分計算が楽になることを考えることが重要だ。

どうやったら楽になるかな

という姿勢は数学に限らず、限られた人生を生きてるボクらにとっていろんなところでとってもとっても重要なのだ。

 

まず、計算してもいいよレベルの積分計算になるところを考えてみる。

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この図において、二次関数と線分ABに囲われたところならば積分計算が楽になりそうだ。そこをベースに$C_1$を考えると、扇形から直角二等辺三角形を除いた部分が余計だとわかる。でも扇形も直角二等辺三角形も簡単な図形だから問題なさそうだ。

まず扇形から求めると、半径が$\dfrac{1}{\sqrt{2}}$で中心角が直角だから

$$ \left( \dfrac{1}{\sqrt{2}} \right)^2 \pi \times \dfrac{1}{4}=\dfrac{\pi}{8} $$

 

 直角二等辺三角形は

$$ \left( \dfrac{1}{\sqrt{2}} \right)^2 \times \dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{4}$$

 

ゆえに余計な部分の面積は

$$\dfrac{\pi}{8} - \dfrac{1}{4}$$

となる。

 

では積分計算をしよう。線分ABと二次関数に囲われた面積は

$$\int_{-\frac{1}{2}}^{\frac{1}{2}} \left( \frac{1}{4}-x^2 \right) dx=2\int_{0}^{\frac{1}{2}} \left( \frac{1}{4}-x^2 \right) dx$$

$$=2\left[ \frac{x}{4}-\frac{x^3}{3} \right]_{0}^{\frac{1}{2}}=\dfrac{1}{4}-\dfrac{1}{12}$$

$$=\dfrac{1}{6}$$

 と求まる。ゆえに、$C_1$の面積は

$$ \dfrac{1}{6} - \left( \dfrac{\pi}{8} - \dfrac{1}{4} \right)=\dfrac{5}{12} - \dfrac{\pi}{8}$$

となる。

 

 今回はここまで。