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理科大入試で学ぶ数学講座 2020理1-(3)③

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やっぱり隔週更新な今回です。

問題

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解説

前回の続き。前回の考察をもとに解いていこう。

 

まずは、

二つの異なる共有点で接している

ということを$C_1$を求めたときと同様に数式で表現してみる。共有点のうち、$x$座標が正となるほうの点を$C$として$(T, 4T^2)$とおいておく。

 

共有点で接している

とは、円の中心$(0, a)$とこの点を結ぶ直線が共有点における接線と直交するということだったから、それを$C_1$のときと同じくベクトルで表現する。

 

$$\left( T-0, 4T^2-a \right)=\left( T, 4T^2-a \right)$$

$$\left( 1, 8T \right)$$

の内積計算をすると0になるわけで実際に計算すると、

$$ T+8T\left( 4T^2 -a \right) =0 $$

となる。ここで、$ T\neq  0 $であるから

$$ 1+8\left( 4T^2 -a \right) =0 $$

とすることができる。

ここで、

$T=$○○

の形にしても式が汚くなるだけだからここで止めておこう。

 

さて、ここから前回の考察のとおりに相似を考えてみる。

円の中心と共有点を結ぶ線分を含む直角三角形を下の図の通りに抜き出してみる。

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ここで、図で示したところが$\dfrac{\pi}{4}$になるということが、$C_1$と$C_2$が相似になるということを意味している。

ここからやるべきことは2つある。

・(自分で設定した)文字$T$の消去

・角度が$\dfrac{\pi}{4}$であることを用いた条件式の立式

の2つだ。

そして今この問題固有のものとして使える武器は、さっき計算した

$$ 1+8\left( 4T^2 -a \right) =0 $$

の式だ。これは$T$と$a$の式だから、これを使うと$T$を消去して$a$で表現できることがわかる。でも、さっき述べた通り

$T=$○○

の形にするのは汚いからできれば避けたいところだ。しかし、接点の$y$座標ならばほぼ同じ形が式の中にあるので、そこは簡単に$a$で表現することができる。

つまり共有点は、

$$\left( T, a- \dfrac{1}{8} \right)$$

とあらわすことができる。

 

共有点の$x$座標の値$T$には片目をつむって

・角度が$\dfrac{\pi}{4}$であることを用いた条件式の立式

を先に考えよう。

これってつまりは直角二等辺三角形の条件式化なわけで、昔からお馴染みの

$$1:1:\sqrt{2}$$

となっていることを使えば式を作ることができそうだ。

 

斜辺の長さが$r$となっていることから、そのほかの辺の長さは

$$\dfrac{r}{\sqrt{2}}$$

となる。

これとは別の方法で同じ辺を表現できれば、等式を表現することができる。

$x$座標の値は触れたくないから、$y$座標に注目してみよう。

 

いま円の中心の$y$座標は$a$で、共有点の$y$座標は$a-\dfrac{1}{8} $となっている。

ここからわかることは、今考えている直角二等辺三角形の等しい二つの辺の長さは、

$$ \dfrac{1}{8} $$

になるということだ。

 

ゆえに

$$ \dfrac{r}{\sqrt{2}}=\dfrac{1}{8}$$

となる。ここから

$$r=\dfrac{\sqrt{2}}{8}$$

となるし、ここで恐れていた$x$座標に対しても三角比を使って

$$T=\dfrac{1}{8}$$

と求めることができる。

この結果を

$$ 1+8\left( 4T^2 -a \right) =0 $$

に代入すれば、

$$1+8\left( \dfrac{1}{16} -a \right) =0 $$

$$a=\dfrac{3}{16}$$

と求まる。

 

これらのことから、相似比は

直角二等辺三角形の斜辺でない辺の長さ=共有点の$x$座標

を比べることで、

$$\dfrac{1}{2}:\dfrac{1}{8}=4:1$$

となるから、面積比$C_1:C_2$は

$$16:1$$

となる。ゆえに$C_1$の面積を$16$で割ればいいわけだから、

$C_2$の面積は

$$\left( \dfrac{5}{12}-\dfrac{\pi}{8} \right) \times \dfrac{1}{16}=\dfrac{5}{192}-\dfrac{\pi}{128}$$

となる。

 

今回はここまで。