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理科大入試で学ぶ数学講座 2019理2-3

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面積を求める問題だけど、実に教科書的な問題。すべての二次関数は相似だってよ。

問題

 

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解説

 (3) 

二次関数と接線に囲まれた領域の面積を求めるわけだけど、泥臭く解いても大した手間はかからない。とはいえ、できるだけ汎用性高く考えていきたい。

 

一般に二次関数と面積といえば、一番有名な公式は

$$\int_{a}^{b}(x-a)(x-b)dx=-\dfrac{(\beta - \alpha)^3}{6}$$

に違いない。

 

この公式の使い所を確認するために、一般的なことをおさらいしておこう。

$$\int_{a}^{b}\left(f(x)-g(x)\right)dx$$

と書くことで$f(x)$と$g(x)$に囲まれる$a \leqq x \leqq b$の範囲の面積を求めることができる。

 

ここで

$$\int_{a}^{b}\left(f(x)-g(x)\right)dx=\int_{a}^{b}(x-a)(x-b)dx=-\dfrac{(\beta - \alpha)^3}{6}$$

と表現されるためには、

$$f(x)-g(x)=(x-a)(x-b)$$

と書くことができるということだけど、これってどういうことかというと、

① 2つの関数を引いた差が2次式

② 2つの関数の交点が$a$、$b$

ということだ。ちなみに最高次の係数は1になってるけど、両辺何倍してもいいことを考えると、$f(x)-g(x)$の最高次の係数倍すればいいだけなので、そこは大した問題じゃない($g$が二次式になりがちなので、符号に注意)。

 

ということで、問題に戻ってみると、二次関数と接線に囲まれた領域の面積なので、②は接点だけど、①はその接点を結んだ直線と二次関数で囲まれた範囲の面積になるから、求めたいものと微妙に違う。

 

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そこでもう一つの一般論。

二次関数と2つの接線に囲まれる面積$S_1$は、2つの接点を通る直線と二次関数に囲まれる面積$S_2$の半分となる。

 これは、証明は簡単だからチャレンジしてもらいたいところだけど、2つの点に注意したい。

 

1つ目は、面積の話だから平行移動しても議論は同じということで

頂点を原点とする

ということ。

2つ目は、すべての二次関数は相似だから

係数を1とする

ということだ。

 

つまり、2次関数全体を論じるのに

$$y=x^2$$

を考えるだけで一般性を失わないことを意味している。

 

ということで、今回求める$D$の面積は、

$$\dfrac{1}{2} \times \int_{-\sqrt{2}}^{\sqrt{2}}-\dfrac{1}{2}(x-\sqrt{2}) \left( x- \left( -\sqrt{2}\right) \right)dx $$

と表現できる($-\dfrac{1}{2}$は最高次の係数倍の部分)。これを計算すると

$$=\dfrac{1}{4} \times \dfrac{ \left\{ \sqrt{2}-(-\sqrt{2}) \right\} ^{3}}{6}=\dfrac{2\sqrt{2}}{3}$$

と求める。

 

今回はここまで。