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理科大入試で学ぶ数学講座 2019理2-4

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今回は、回転体の体積。ここまで難問なしだな。

問題

 

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解説

 (4) 

 

前回求めた面積Dを回転させてできる立体の体積を考える。

 

この問題では大したことないんだけど、一般に立体を考える問題についてちょっと雑談。

ボクらは、3Dな何かを想像してみて!と言われると、斜め上とか、斜め下とか立体がかっこよく見える角度からみた姿を想像しようとする。これは悪しき義務教育による洗脳なのか、人間の基本機能なのかはわからないけど、立体ぽく見ることで、

「おお、立体的な形だ!」

なんて満足感をもちながらなにかひらめくことを期待したりする。

でも、その「立体らしさ」から得られる情報というのはホントのところは少ない。じゃどうするかというと、真横や真上といった極端な角度からみることだ。そうすることで、立体は立体らしさを失い、1個次元が下がった(つまり平面の)姿を見せる。

 

そんなことを意識しながら今回の問題に戻ってみる。つまり立体的な絵を図示せずに、前回と似たような絵で問題解決をしていきたい。

 

前回求めたこの緑の面積を$y$軸で回転させるわけだけど、ここで使いたいのは回転体の体積の公式だ。

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公式を軽くおさらいしておくと、

$y=f(x)$を$a \leqq x\leqq b$の範囲で$x$軸回転してできる立体の体積は、

$$\int_{a}^{b} \pi \left\{  f(x) \right\}^2 dx$$

 というものだった。これって仕組みを確認すると

断面の面積:$\pi \left\{  f(x) \right\}^2 $

厚み:$dx$

だから、

$$\pi \left\{  f(x) \right\}^2 dx$$

は高さのとっても低い円柱を表していて、

これを区間いっぱい足し集めてね

というのがインテグラルがついた公式なわけだ。

 

要は、積分が長方形を足し集めることで求まるところ、同じ考え方で円柱集めれば回転体になるよね、ってことだ。

 

で、問題。$-1 \leqq y \eqq 1$で円柱を足し集めて行きたいんだけど、途中からドーナツみたいなのができて、素直に公式に入れるだけじゃだめなのがわかる。

 

こんなときどうするかというと、、過去何回もこのブログではでてきた、

イチブトゼンブ

な考え方だ(B'z先生のアレ)。

 

全てなにかのイチブってことにボクらはなかなか気づけないんだけど、常に頭の片隅においておけばなにかのイチブになってないかなと考えることができる。

 

すると直径がABの逆さまの円錐から2次関数の内部の体積をくり抜けばいいねとわかる。ちなみに、前回の面積を求めるときでも同じ態度で解くことは可能だ。

 

円錐の体積は算数の問題から、実際に積分計算するのは2次関数の上側の回転体の体積ということになる。

円錐の体積は

$$ \pi \times \sqrt{2}^2 \times 2 \times \dfrac{1}{3} =\dfrac{4}{3}\pi $$

回転体の体積は、半径が$\sqrt{2y}$となることに注意して

$$\int_{0}^{1} \pi \left\{ \sqrt{2y} \right\}^2 dy$$

$$ = \pi\left[  y^2  \right] _{0}^{1}=\pi$$ 

 ゆえに、

 $$\dfrac{4}{3}\pi-\pi=\dfrac{1}{3}\pi$$

と求まる。

 

今回はここまで。