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【問題解説】センター試験平成31年度本試験ⅠA 第2問-2

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 シューイチになってきた最近。年度末で本業がしんどいのでm(_ _)m

とはいえ、このセンター解説は踏ん張ってみる。

 

ということで前回の続き。

問題

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解説

図が描けないなんて人はいないと期待して、作図はお任せする。そもそもこのくらいなら想像してみるのもありだ(スマホ片手なボクはまさにそれ)。

 

さて

$\cos \angle CAD$

から解いていく。この後の日本語が「であるから」となっていることからわかるのは

① 後続の問の理由(解を求めるための道具)になっている

② これくらい簡単だよね

という2点だ。

 

①は「であるから」が因果関係を結ぶ言葉なわけで、②はもし難しいのならば、こんな「ご存知の」と言わんばかりの表現を使うことはないはずだ。

 

簡単と言われているものを深追いするのあれだけど、問題文が簡単と教えてくれているということは、すでに解いてきたものを前提に公式ひとつ適用するくらいの計算で求まるよということだ。 

 

で$\cos$といえば、似たような角度のところで前回

$\cos \angle BAC$

を求めている。

www.mathbanker.info

今回問われている$\angle CAD$との関係を考察してみると、たして180度になるということはすぐにわかる。

 

すると

$\cos (180 - \theta)=- \cos \theta$

って公式があったなとたどり着く。ちなみにこの式、公式と言うけど、三角関数の定義で考えれば、$x=1$の点から$\theta$回転したところの$x$座標と、$x=-1$の点から$\theta$回転したところの$x$座標は、原点を挟んで対象な位置に同じ長さで存在しているから直感的に成り立つことがイメージしやすい。

 

ということで

$\cos \angle CAD=-\cos \angle BAC=\dfrac{1}{4}$

とわかる()。

 

問題文は、これを使ってADが求まることを教えてくれている。さてどう使おうか。

 

ボクは三角関数(三角比)を扱う問題では、常に円を頭に描いていて、定義に沿って

どこがわかっていて、

どこが問われているのか

ということを意識している。この態度はとても有効だけど、$90^{\circ}$未満のとき直角三角形における定義で考えるほうが考えやすければ二刀流もありだ。

 

ここではその二刀流で考えてみよう。今求めた$\cos \angle CAD$は正の値だから$90^{\circ}$未満だ。直角三角形を探してみる。すると容易に$\triangle MAD$が見つかる($M$は$AC$の中点)。

 

今問われているものは、この直角三角形の斜辺で、わかっているものは$AM$の長さ$1$と$\cos \angle CAD=\dfrac{1}{4}$だ。

定義式に当てはめれば

$\cos \angle CAD=\dfrac{AM}{AD}=\dfrac{1}{4}$

であるから

$AD=4$

とわかる()。ちなみに円をイメージしてもやることは同じだ。直角三角形を探す代わりに円から$x$軸に下ろした垂線を探すことになる。 

 

最後に $ \triangle D B C $ の面積。迷ったときはいつでもルネ・デカルトのありがたい言葉を思い出そう。困難は分割するのである。

 

三角関数(三角比)の値をちらつかせながら、面積を求めよと問われたときにボクらの手にある武器は、

$\triangle ABC$において

$S=\dfrac{1}{2}AB \cdot BC \sin \angle ABC$

の公式だ。結局は小学校からおなじみの公式底辺✕高さ÷2をしているだけだけど、この形にすることで、2辺の長さとその間の角の$\sin$がわかれば面積が求まることになる。

 

そうすると問題文で与えられた$\triangle ABC$は瞬殺だ。

$\triangle ABC=\dfrac{1}{2}AB \cdot AC \sin \angle BAC$

$=\dfrac{1}{2} \cdot 3 \cdot 2 \cdot \dfrac{\sqrt{15}}{4}=\dfrac{ 3 \sqrt{15}}{4}$

となる。

 

すると残りは$\triangle ACD$だけど、これも2辺の長さと間の角の$\sin$は求めているので

$\triangle ACD=\dfrac{1}{2} \cdot  AD \cdot AC \cdot \sin \angle CAD$

$=\dfrac{1}{2} \cdot 4 \cdot 2 \cdot \dfrac{\sqrt{15}}{4}=\sqrt{15}$

 

よって求める面積は

$\dfrac{ 3 \sqrt{15}}{4}+\sqrt{15}=\dfrac{ 7 \sqrt{15}}{4}$

と求まる(シス)。

 

 図を描いていない立場から言うのも変だが、図を描くと、頭の中で図を抱えなくてよい分計算が捗るし、状況も整理できるから、描けるなら問題に言われるがまま図は描いてしまおう。幾何の問題はひらめきがどーのこーのと話は聞くが、この程度の問題にひらめきは無用だ。

 

今回はここまで。

 

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