涼しくなったかと思ったらまた暑くなり始めた今日のこの頃。
VRノートとかで数学の問題解くのは結構ありなんじゃないだろうかと思い始め、Oculusに手を出そうかと考えてるけど、どうかな。
ということで、前回の続き。
問題
解説
(2)問題文を読んだときに
1回目の操作で白球を取り出す確率を $p$
のとこであれ?もう求めたじゃんと感じた人は少なくないハズ。重要なのはそう思った後だ。
① まいっか、と通り過ぎる。
② 一般化(抽象化)したのかと捉えておく。
多分この2つが選択肢としてあるんだと思うけど、やっぱりここは②でありたい。
数学において、何かを文字に置くということの効能は幾つかあれど(複雑な形のものを単純化しておくとか、扱いやすい形にするとか)、やっぱりなんといっても代表的なものはこの一般化(抽象化)ではないだろうか。
一般化(抽象化)することによってボクらは、一つの出来事を他にも適用(転用)できるようになる。ということは、前の人が歩いた轍で道を作るように、この問題では $p$ とおくことで同じ考え方ができるところがあるよ、ということだ。
そんなことを頭の片隅において、まずは言われるがまま、2回目の操作で白球が取り出される確率を求めてみる。
そもそもどんなルールだったっけとか、どっちの袋に何が何個?みたいな人は前回記事を参照の程。
1回目の操作で白球を取り出す確率を $p$ ならば、
1回目の操作で赤球を取り出す確率は $1-p$となる。
で、2回目の操作で白球を取り出す確率は、
1回目の操作で白球ならば、$p \times \dfrac{1}{2}$
1回目の操作で赤球ならば、$(1-p) \times \dfrac{1}{3}$
となるので、これらを足して
$p \times \dfrac{1}{2} + (1-p) \times \dfrac{1}{3}$
$=\dfrac{3p+2-2p}{6}$
$=\dfrac{1}{6}p+\dfrac{1}{3}$
となる。
で、次。問題文に接続詞「よって」があることもヒントで、上の結果を使えと言っている。
上問の結果を数値で表現したものがこの問の答えで、邪魔しているのは$p$、そしてその$p$の正体は知っているわけで、
$p=\dfrac{7}{18}$を代入して
$\dfrac{1}{6} \cdot \dfrac{7}{18}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{43}{108}$
となる。
さて。今度は3回目の操作を考える。
とっても丁寧に整理してみると、
2回目の操作で白球が取り出される確率 $\dfrac{1}{6}p+\dfrac{1}{3}$
3回目の操作で白球が取り出される確率 ?
となっていて、異なっているのは回数のところだけ。
で、ルールを振り返ってみると、1回目だけ特別ルールでサイコロふるけど、2回目以降は前の結果次第で袋が決まって球を取り出すというものだった。
そう、2回目以降は同じルール。強調するけど、同じルール。問題文も「同様に」と教えてくれている。
ここで、同じルールって言われても・・と思うかもしれないけど、少し天の邪鬼になってみよう。同じと言われたら何が異なるのかを考えてみるのだ。
数学を飛び越えたところの一般的な話で、本当に何もかもが同じなら、それらは分離できず、区別できない。
同じものは必ず異なる。
ボクたちは一心同体だね、と嘯く人たちがそう言えるのも、そこに異なる二人がいるからに他ならない。逆にボクはボクと一心同体だなんて言い始めたときは、ボクの中に異なる自分を見出しているときだ。
ということで、この同じルールの異なるところを探しに行こう。
2回目と3回目で異なるのは、前回の結果のところだ。毎回同じ確率で白球は取り出されない。前回の白球が取り出される確率を$p$とすれば、次の操作で白球が取り出される確率は、最初の問と同じ思考回路で
$\dfrac{1}{6}p+\dfrac{1}{3}$
となる。
ってことは、今度はpのところに今求めた
$\dfrac{43}{108}$
を当てはめればいいわけで、3回目の操作で白球が取り出される確率は
$\dfrac{1}{6} \cdot \dfrac{43}{108}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{259}{648}$
となる。
(4)条件付き確率の問題。
有名な罠としてはモンティ・ホールの問題が有名だけど、今回の問題はとても素直だ。
まずは公式を確認しておきたい。
事象Aが起きる条件下で事象Bが起きる確率は
$P_{A}(B)=\dfrac{P(A \cap B)}{P(A)}$
ここで、$P_{A}(B)$と$P(A \cap B)$の違いは大丈夫だろうか。
日本語で書いてしまうと、
$P_{A}(B)$はAの条件下でBが起きる確率
$P(A \cap B)$はAとBが同時に起きる確率
となるが、違いは??となってしまいそうだ。
色々理解の仕方はあるが、今回はたとえ話で理解してみよう。
事象Aを「彼女に左頬をぶたれる」
事象Bを「彼女に右頬をぶたれる」
として考えてみる。
このとき
$P_{A}(B)$は左頬をぶたれるとき、右頬をぶたれる確率
$P(A \cap B)$は左頬も右頬もぶたれる確率(=往復ビンタされる確率)
となる。
ん?違いがわからない?
条件付き確率$P_{A}(B)$の場合、あなたの左頬はすでにビンタされている。右頬が打たれるかどうかだけが残された選択肢になる。
一方、確率$P(A \cap B)$は、往復ビンタされる確率だが、あなたはまだ無傷だ。左頬だけか、右頬だけか、或いは往復ビンタかこれから決まる。
これで違いが伝わっただろうか。では問題へ。
ここで
A:2回目の操作で取り出した球が白球である事象
B:2回目に取り出した袋の色が白である事象
とする。
そうするとこの問題は、
$P_{A}(B)$
を求めることになる。ちなみに時系列が未来から過去になっているが問題ない。語弊を恐れずに言えば、確率に時間軸は関係ない。
$P(A \cap B)$
は、2回目に白い袋から白球を取り出す確率だから
$P(A \cap B)=\dfrac{7}{18} \times \dfrac{1}{2}$
あとで約分するだろう未来がみえるから、あえて今はこの掛け算はせず、このままにしておく。
$P(A)=\dfrac{43}{108}$
はすでに求めてある。ゆえに
$P_{A}(B)=\dfrac{7}{18} \times \dfrac{1}{2} \times \dfrac{43}{108} $
$=\dfrac{21}{43}$
となる。
全く同じスタンスで3回目の操作を考えていこう。
C:3回目の操作で取り出した球が白球である事象
D:はじめて白球が取り出されたのが3回目の操作である事象
とする。
すると
$P_{C}(D)$
を考えることになる。
$P(C \cap D)$
は3回目だけが白球であった確率だから、
1回目赤球となる確率 $\times$ 2回目赤球となる確率 $\times$ 3回目白球となる確率
を考えればいい。
1回目赤球となる確率:$\dfrac{11}{18}$
2回目赤球となる確率:(ただし1回目は赤球):$\dfrac{2}{3}$
3回目白球となる確率(ただし2回目は赤球):$\dfrac{1}{3}$
なので
$P(C \cap D)=\dfrac{11}{18} \times \dfrac{2}{3} \times \dfrac{1}{3}$
となる(例によってまだ計算はしない)。
$P(C)=\dfrac{259}{648}$
はすでに求めてある。ゆえに
$P_{C}(D)=\dfrac{11}{18} \times \dfrac{2}{3} \times \dfrac{1}{3} \times \dfrac{259}{648} $
$=\dfrac{88}{259}$
となる。
一行の式が長いとスマホでみたときに微妙なデザインになるんだよね。解決策がよくわからないから、綺麗に見たい人はブラウザをPCモードにするか、ほんとにPCでみるかでお願いします。あ、スマホ横向きにするのもいいかも。
ということで。
今回はここまで。
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