大学院時代、確率論を先行していたこともあって確率の問題は贔屓目で面白いと感じてしまうようだ。
有名なモンティ・ホール問題もそうで、この問題を初めて目にした大学時代の興奮を今でも覚えている。
テレビや映画でも時々出てきたりするので知っている人も多いだろうが、問題文をWikipediaから抜粋する。
「プレーヤーの前に閉まった3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会者(モンティ)が残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。 ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。プレーヤーはドアを変更すべきだろうか?」
この問題は1990年頃、数学者さえも答えを間違ったとして話題になった問題だ。より詳細な背景はWikipediaを参考いただきたい。
確率は情報量を忠実に表している。
開けるドアを変えるも変えないも、どちらかのドアの後ろに新車があるわけで、確率は$\frac{1}{2}$でしかないというのは情報を受け取っている自覚がないということになる。
あなたがこの司会者だったとする。
あなたはプレイヤーが選んでいないドアのうち、やぎがいるドアをあける。プレイヤーが新車のドアを選んでいれば考える必要はないが、そうではない場合、あなたは慎重にヤギの方のドアを選択し、開く必要がある。これは慎重に選んでる分プレイヤーに情報を与えていることになる。
これがどういうことなのかもう少し考えてみよう。
スタートの時点ではどのドアも当たる確率は$\frac{1}{3}$である。ゆえに当然プレイヤーが選んだドアも確率$\frac{1}{3}$だし、残る2つのドアは2つ合わせて$\frac{2}{3}$となる。
ここで、あなたがヤギがいる方のドアを選択し開けるという行為とは、
この$\frac{2}{3}$の確率の2つのドアにおいて、ハズレな方を明らかにする
=
2つのドアのどちらかが新車のときにプレイヤーが変更したら必ず当たるようにしてあげる
ということだ。
ゆえに、変更したときのほうが確率が上がる。
これをもうほんの少し具体的にみてみよう。
いま、新車のドアを●で表すと
●○○
○●○
○○●
のどれかだ。
仮に真ん中のドアを選んだとする。B.だけがドアを変更したときにハズレになる。A.とC.は変更さえすれば、必ず●を選択できるように司会者が調整してくれている。今仮に真ん中のドアを選択しているが、どのドアを選択しても状況は変わらない。
いつみてもいい問題だなとしみじみ思う。こういうのが教科書に載っていれば楽しかったのにな。
で、恒例の最後に宣伝。よろしく。

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