数学が好きなサラリーマンのブログ

数学が好きなサラリーマンのブログです。数学ネタから大学受験数学、ビジネスやライフスタイルまで数学が好きなサラリーマンの頭の中を大公開しています。

理科大入試で学ぶ数学講座 2020理1-(2)-(c)

f:id:mathbanker:20180925144149j:plain

今回は、だらだらやってるこのシリーズ。どうやったら解けるかなという問題解決の姿勢は、社会人でも通じるよ。

問題

f:id:mathbanker:20210810165636p:plain

解説

 

 前回の続きは枚数が増えただけのこの問題。少し着眼点を変えて考えてみたい。

 

すべての人が菅政権を支持している

といえば、どう思うだろう。そんなことないよ!と思う人もいるはずだ。反対意見をいうからには、その根拠を添えたい。なにが根拠だろう。

簡単なところでいえば、自分自身が反対している、という根拠だ。”すべての人”という牙城はこれで簡単に崩れ落ちる。

 

これはつまり、

すべての人が菅政権を支持している

 の否定が真だという主張に他ならない。では、一足飛びに反例を挙げるのではなく、まずこの元の主張の否定命題を考えてみよう。

 

(すべての人が菅政権を支持している) でない

ということだけど、これは

すべての人が菅政権を支持していない

とはならない。元の命題とその否定命題は、合わせると常に正しい命題(恒真命題)にならないといけないが、「私だけが反対している」という状況はどちらの命題も真にならない(から合わせても真にならない)。

正しい否定命題は、

菅政権を支持しない人もいる

ということになる。

 

これは、全称と存在といわれたりするけど、

全称 すべての~、どの・・・も~

存在 ~が存在

は互いに否定命題の関係になる。

 

さて、問題文を読んでみる。条件の中で、「どの2枚についても~」と書いてある。これは全称命題だ。ということは、この存在命題が否定になる。

全称と存在、どちらか一方をみたときはもう片方を補完してみる。一方がわかれば、もう片方がわかるわけだから、簡単な命題、解答までのストーリーがみえる命題を起点に考えることができる。たいていの場合、一方が強敵ならば、もう片方は雑魚敵だ(強敵と超強敵のパターンもあるけど)。あえて強い敵に挑む必要はない。

 

どの2枚についても差が2以上

の否定は、

差が1となる組み合わせが存在

となる(0はありえない)。

 

このケースにおいて、前回解説したようにどちらにおいても解く方法はあるけど、直感的には差が1となるケースを考えるほうが簡単そうにみえるはずだ(2以上は、2以外も考える必要があるから面倒かもしれない)。

 

いま、取り出した7枚において、昇順(小さい数から大きい数へ)に並べて考えてみる。ここで、ふと気づく。差が1って、たくさんパターンがあるんじゃね、ってことだ。7枚もあるから、選んだ7枚の組み合わせごとに隣り合う数のパターンは$2^6$あって、そこに当てはまる数を考えていくと結構涙目になる場合分けになってしまう。

 

ここで、ちょっと立ち止まって考えてみる。

前の問題と今回の問題は、数が増えただけの関係だけど、誘導とかヒントになっていないだろうか。計算があまりに面倒だという場合、少しこの辺を疑ってみる。

 

数が増えただけで、今回の問題が難しくなっているということは、「数が増えたこと」が難しさに寄与していたということだけど、数が増えても難しくない解法があるということだろうか。簡単に言えば、全称命題として考えるほうが簡単なのではないか、と疑って前回の問題を実験材料に考えてみるということだ(つまり前回の①)。

 

16枚のカードに対し、7枚の「選ぶ」と書かれたカードと9枚の「選ばない」と書かれたカードを呼応させる。

 

この16枚の「選ぶ」「選ばない」カードの並べ方において、「選ぶ」が連続しないようにすればいいわけだから、選ばないの隙間10か所から7か所を選択すればいい。

 

ということで、

$$\_{10}C_{7}=\ _{10}C_{3}=120$$

と求まる。

 

ちゃんと考えよう、というのは簡単だけど、どう考えればいいのか、ってのが肝だよね。