数学が好きなサラリーマンのブログ

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ハロウィンを振り返る。

 

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今更かよ的話で、ハロウィンについて。

 

日本的なハロウィンと元来のハロウィンは全く別物で、大人が仮装を楽しむイベントではなく、子供たちが仮装しながら

Trick or Treat」

と各家を回り、お菓子を収集するイベント(もっと過去はもっと違うものだったらしいけど)だ。

 

この辺の違いをネタに日本のコスプレナイトをやんやと言う人が毎年11月になると盛んになるが、ボクはこの

Trick or Treat」

に焦点を当てたい。

 

数学において命題と論理とよばれるところあたりの話って、いわゆる言語感覚と一致しないものも少なくない。

 

必要十分条件」とか「全称命題と存在命題」、「逆・裏・対偶」など色んな所に感覚と違う現実が眠っている。

 

そんな中今回取り扱うのは、とってもシンプルな「A or B」という表現についてだ。

 

ボクらがこの表現を数学で初めて習ったのは、「A or B」の論理演算は下の図において色塗られているところだよって話だと思う(論理演算とベン図について?な人はWikipediaを参照のこと)。

 

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ja.wikipedia.org

こんな話は疑う余地もなくすんなりと理解できて、「∨」こんな記号を使うのねってくらいの感想だった気がする。

 

でも、よくよく考えるとこの「A or B」、

A=Trick

B=Treat

って考えてみると、TrickもTreatも同時に要求される選択肢も内包されている。究極の2択選択を迫るなら、排他的論理和であることを伝える必要がある。

 

なんてしょうもないことを言っても仕方がないけど、この「Or」、感覚的に考えると誤解してしまう。

 

例えば、

$$2 \leqq 3$$

という表現。ぱっと見た感じ、「=」は成り立たないから間違いでしょと突っ込みたくなる。突っ込むその前に、$\leqq$の$<$と$=$の関係を考えてみたい。これって、Andだろうか、Orだろうか。

 

もちろん、これはOrだ。Andだと同時に成り立つ必要があるので、成り立つことのない記号になってしまう。実数において、ある2つが同じ数でないならば、その2つには大小関係が発生する。つまり、同じであることと、大小関係を持つことは互いに否定の関係となるわけだ。

 

$$(x-2)(x-5)=0$$

という方程式を解くときに、ついボクらは「この方程式の解は2と5」なんてこたえる。この「2と5」の「と」は両方とも解であることから「And」を意味しているわけで正しいんだけど、この方程式を成り立たせているのは、「$x=2$または$x=5$」だ。ここで、「$x=2$かつ$x=5$」なんて書くと「$x=2=5$」ってことになって、そんな数$x$は存在しなくなる。

 

だからなんだよって話だけど、お菓子渡したけどイタズラもされたよって言っても、それは覚悟しときなよってことだ。