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理科大入試で学ぶ数学講座 2019理1-9

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 年の瀬が近づいてきたこの頃。相変わらず一年かけて問題解いているな。

前回の続き。  

問題

 

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解説

今回は、(b)。前回

$S(t)=\triangle APB + \triangle ABQ =\sin t+\sin 3t$

 を求めている。今回は、これを微分して、問題文に当てはまる形にしていこう。

 

問題文は、$S(t)$を微分せよ、といっているので素直に微分するんだけど、前回求めた$S(t)$には$3t$がある一方で、今回の解答欄はすべて$t$となっているとこに着目する。最終的には、ここを一致させないと解答できない。

 

これらを結びつけるものといったら、勿論3倍角の公式。

三角関数において、$3t$を$t$、あるいはその逆操作をするためのツールだ。

覚えかたは語呂合わせとか色々有るけど、簡単だから実際に手を動かして何回か証明してみれば、きっと勝手に覚えているはずだ。片方しっかり覚えていれば、もう片方は符号が違うだけなので、”覚える”という行為は不要になる。

 

$$\sin 3\theta =-4 \sin^3 \theta + 3 \sin \theta $$

$$\cos 3\theta =4 \cos^3 \theta - 3 \cos \theta $$

 

 何も考えてなければ、いきなり微分するんだけど(この問題の場合それでいいんだけど)、せっかくだから少し立ち止まって処理する順番を考えてみよう。

 

まずは少し一般論。

3倍角の公式を使うということは、$\theta$と$3\theta$の間で角度の情報の交換を扱うことが一番表面的な効果なんだけど、伴って変わる別の情報がある。

 

改めて公式を眺めてみると、左辺は1次式なのに対し、右辺は3次式になっているわけで

左から右にみれば、次数を上げる公式

右から左にみれば、次数を下げる公式(一次の項を左に集めておけば特に)

 とみることもできる。次数を下げたくなっても、上げたくなることは中々ないだろうから、

左から右にみれば、角度を下げる公式

右から左にみれば、次数を下げる公式

とも捉えられる。 

 

 ということで、問題に戻ろう。

微分をするときには次数は低い方が一般的には多かれ少なかれ楽なことが多い。今回、次数が上がる方向に3倍角の公式を使うわけだから、微分してから3倍角の公式をしたほうが良さそうだ。

 

ということで計算。

 

$S' (t)= \cos t + 3 \cos 3t $

$=\cos t +3 ( 4 \cos^3 t - 3 \cos t ) $

 $=4\cos t ( 3 \cos^2 t -2 )$

 

となる。今回はここまで。