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真実とその近傍

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真実とその近傍は全く違うことが多いのではないかと最近よく考える。

 

例えば、巷のニュースでいえば、ホリエモン餃子問題や、学術会議問題。或いは芸能人のスキャンダル。

 

僕らは、冷凍食品のようにパッケージされたものを自己流に、あるいはよくある感じで解凍して食し、レビューする。パッケージする過程で失われたものに気づかない。

 

数学で頻出のアプローチである帰納と演繹なんて往来できるような考え方も、現実世界では帰納の飛躍が盲点だ。

 

数学で登場しがちな無限は、日常生活ではありそうに思えるだけで、なかなか存在しない。だから帰納的な検証なんて、限界がある。ドリカムが歌うように1万1回目は何か変わるかもしれない。

 

ちょうど開集合$$\left\{ (x,y)|x^2+y^2=1 \right\} $$における円周上の点のように、今いるところからは手を伸ばせば届くようで、でも届かない。

そんな真実がそこらにあるような気がする。

 

モンティホールの問題で、どの扉だって確率が変わることなんてありえないと、選択を試みる人を非難する人たちは、確率論が示す事実に気付かず蓋をする。

 

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二人の子供がいる。二人とも男である確率と、片方が火曜日に生まれたと知って、もう片方が男の子である確率は異なるという真実は、多くの人が抱く感覚的事実と異なるのではないか(条件付き確率を用いて計算してみるとわかる)。

 

そんなことを考えながら世の中のニュースを見てると、そこから原因を探ることって難しくて、当事者ではない人たちが自分なりの真実の在り処をコメントするのって、リスキーだよなって思う。

 

手に入れた事実をベースに、破綻を起こさないようにロジックを組み立てる。真実へのロジックは一本橋ではないから、リスクが何たるかを示しながら、確率論が導く方へ。人を傷つける可能性があるなら、こんな慎重さがいるんじゃないだろうか。

 

世の中のいろんな構造のところに数学的なことがあって、でも世の中の多くの人が数学に背を向けて世の中を語っているのかなとぼんやり思った秋のこの頃。徒然なるままに。