問題
解説
3つの関数
① $(x-4)^2$
② $x-2$
③ $-x^2+6x+4$
のうちどれかが$x$の取る値によって表に出てくるわけだけど、このキーとなる大小関係の選び方にはパターンがある。
パターンなんて、自明なことも多いけど、いつでも心がけたいのはそのパターンの列挙がちゃんとMECEになっているかということだ必ずそこには定義域がある。
丁寧に挑むなら、この定義域全体でこの関数がどのように振る舞うかを調べればいいわけで、そんなときには増減表が適している。
増減表って、微分のところで出てくることから、この関数を微分するんかい!と思うかもしれないけど、今回の場合はどの関数が台頭してくるかを調べればいいわけだから、3つの関数の大小関係の変わり目を捉えながら、その間隔をどの関数が表に出ているかを調べればいい。
・・・って計算してもいいんだけど、それは手の運動なので続きの計算はおまかせしたい。
ここでは、このパターンをどう、漏れなくダブりなく数えるか、というところを掘り下げたい。①~③の大小で一番大きいものとかではなくて、3つのうち、2番目に大きいものを選ぶ関数の形になっている。
(a)ではこれが、①である場合が問われている。つまり、①が2番目にくるパターンの定義域を問われている、と考えることができる。
一般にどんなときに①が2番目になるだろうか。列挙してみる。
A. ②≧①≧③
B. ③≧①≧②
の場合があてはまる。不等号が≧なのがポイントだ。漏れなく、である。ここが不安なら、ここに①から③と各不等号の全パターンを書き並べるのもいい。でも、ここでは2番目に①を据えたときの全パターンを上の形で表わせていることは少し考えてみればわかるはずだ。
このことを念頭に関数の形をみてみよう。
Aは②が一番大きいパターンだ。これはつまり、
$max\{(x-4)^2, x-2\}=x-2$
という状況で、この関数の顔が$(x-4)^2$となる場合だ。これは後ろ側の不等式で①=③となるときしか達成し得ない。だって2回戦の対戦相手は③なわけだから、これが実は①と同じとなっていないとこの状況にはなりえない。
ここまでわかればあとは計算するだけだ。
$x-2 \geqq (x-4)^2$
$(x-4)^2=-x^2+6x+4$
となるのは、
上の不等式から、$(x-3)(x-6)\leqq0 \Leftrightarrow 3\leqq x \leqq 6$
下の方程式から、$x=1$ or $x=6$
となる。 同時に満たすのは$x=6$ となる。
次にBは、
$max\{(x-4)^2, x-2\}=(x-4)^2$
であり、
$min\{(x-4)^2, -x^2+6x+4\}=(x-4)^2$
となるときを考えればいいとわかる。それぞれ不等式で表すと、
$(x-4)^2 \geqq x-2$
$-x^2+6x+4 \geqq (x-4)^2$
となる。それぞれ解くと
$3 \geqq x,x \geqq 6$
$1 \leqq x \leqq 6$
となる。同時に満たす$x$は
$1 \leqq x \leqq 3$ , $\ x=6$
となる。
ゆえに、A、B双方から
$1 \leqq x \leqq 3$ , $\ x=6$
と求まる。
ということで今回はここまで。続きは次回。
最近、とりあえず更新してから後で実は記事の修正をしている富樫式。