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理科大入試で学ぶ数学講座 2019理1-3

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前回、掘り下げるぜって言って、対して掘り下げなかったMECE

 

もれなくダブりなくってことだけど、仕事している人の中でもこれを信念のように扱っている人が少なくない。

 

というのも、もれなくダブりなく考えるために何をしてますかってことだけど、色々と考えた果てに気を付けています、なんてことに帰着してしまってるところをよく聞く。

 

気を付けるだけでも効果はあるけど、せっかくならばもれなくダブりなくということを具体的に考えたい。こっれてどういうことだろう。

 

数学で扱うところの集合論的な話で、分割した集合を足し集めるとちゃんと全体集合になるし、共通部分は存在しない排他的関係になっていることを確認すれば、それがすなわちMECEだ。

 

全部が全体になっていて、一部が共有されていなければいいって、まさにB'zのイチブトゼンブだね(え?)

 

じゃ、問題を考えてみよう。

 

問題

 

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解説

 (1)の(a)において、$f(x)=x-2$となるための必要十分条件を考える。

 

もともと$f(x)$は3つの関数
① $(x-4)^2$
② $x-2$
③ $-x^2+6x+4$
において、
$f(x)=\min \left\{ \max \left\{ ①, ②\right\}, ③ \right\}$
という形をしている。

 

maxとminの両方があるから、どっちから考えるかだけど、特別な条件でもなければ大きい方から外していくほうが視野は広がる。世界をまず7つの海にわけて考えるとか、そういった類のアプローチだ。

 

A.  $\max \left\{ ①, ②\right\}$
B.  $③$
の比較だ。どっちが小さいかで2通りある。それぞれのストーリーにおいて、$f(x)=x-2$となるような活路を見いだせるかを考える。

 

まずAが小さいというストーリーから考えてみよう。すると、②が選ばれるためには、②≧①が成り立っていればいい。このとき
$x-2 \geqq (x-4)^2$
なので、これを解くと、
$3 \leqq x \leqq 6$
となる。

 

これは、今のストーリーではAが小さいことが前提なので、
②≦③
となっている。
$x-2 \leqq -x^2+6x+4$
これを解くと、
$-1 \leqq x \leqq 6$

 

つまり
$3 \leqq x \leqq 6$
$-1 \leqq x \leqq 6$
が同時に成立しているから、Aが小さいストーリーで$f(x)=x-2$となるためには、
$3 \leqq x \leqq 6$
となる。

 

次にBが小さい場合のストーリーを考える。
Bが小さかったら、②が生き残る余地なくね?と思うかもしれないけど、②=③となる値だったら、結果的には②が生き残っているのと同じ状況だ。


つまり、
$x-2=-x^2+6x+4$
が成立するような$x$のときは、基本③なんだけど②って言ってもいいよねって感じになる。
これを解くと、
$x=6$ or $-1$

 

マークシートだからここは$x=-1$じゃんとわかっているし、Aが小さいのストーリーの答えにx=6は入っているしで計算するまでもないんだけど、ちゃんと計算してみる。

 

$x=6$のとき
① $(x-4)^2=4$
② $x-2=4$
③ $-x^2+6x+4=4$
よって全部同じだから、実は$x=6$のときはどの関数でもいいってことがわかる。

 

$x=-1$のとき
① $(x-4)^2=25$
② $x-2=-3$
③ $-x^2+6x+4=-3$
でこのとき、確かに

$f(x)=x-2$

と表せる。

 

よって、
$3 \leqq x \leqq 6$,  $x=-1$
と求まった。

 

ちなみに↑の
② $x-2=-3$
③ $-x^2+6x+4=-3$
はホントに2回

$x=-1$

を代入するのは野暮だ。
だってそうなるように計算した値が

$x=-1$

なんだし。

 

ということで、今回はここまで。