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理科大入試で学ぶ数学講座 2019理1-1

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過去回(下のリンク)でお伝えしたとおり、今年は理科大過去問を通じて数学の問題を解いていきたい。
 
最新の問題はまだ入手していないので、とりあえず2019年度の問題から取り掛かるけど、センターと比べて問題数は少ないから、2年分くらいいけるんじゃないだろうかと楽観中。
 
では、センターのときみたく、Slowly but Surelyな感じでスタート。
 
 
では早速問題を見てみよう。

問題

 

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解説

(1)
まずは、max、minで表された関数の問題。
必要十分条件が問われているけど、これはすなわち同値表現の形を考えることに他ならない。max、minで表された関数が、(a)は$f(x)=(x-4)^{2}$ となるときを聞かれているから、つまり区間を考えるとmax、minが外せるよね、と問題文は教えてくれている。
 
与えられた$f(x)$の中には
  • $(x-4)^2$
  • $x-2$
  • $-x^2+6x+4$
の3つの関数が見えている。場合によって(区間によって)、$f(x)$の顔が変わっていくようだ。関数とその変数の定義域というのはセットだから、3つの種類の定義域に対してそれぞれの関数が対応していると捉えることができる。
 
(a)は、その3種類の定義域のうち、$f(x)=(x-4)^{2}$となるものを求めよ
 
ということだ。いま、手元にあるわかっている情報が定義域ではなくて、関数から得られる値域の方だから、それを起点に考えていくことになる。
 
つまり、大きいとか小さい方を適切に選びながら、色々ある選択肢(場合分け)の中から、$f(x)=(x-4)^{2}$となるような$x$の範囲を考えてみる。
 
このとき、その判断のベースとして考えるのが、MECEという考え方だ。
 
MECEとは、ビジネス用語としても頻出のワードで、
Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive
つまり、漏れなく、ダブりなく考えよ、というものだ。
 
ビジネスの世界では、ときにビジネススキルというよりもただの信条じゃないかと誤解されることもあるが、数学の世界で置き換えると重要な戦術だ。
 
数学的には、積集合が空集合で、和集合が全集合となるような分割を意味する。パターンを考えるときは、そのパターンの全体がこれに当てはまっているのかどうか、というところがポイントになる。
 
この問題においては、大きい方、小さい方を選んでいった果てに得られる定義域が、漏れなく、ダブりなくの状況になっているか、というのが意識したいところだ。
 
$max\{ (x-4)^2, x-2 \}$
は、
$(x-4)^2 \geqq x-2$
のとき、$(x-4)^2$となるし、
$x-2 \geqq (x-4)^2 $
のとき、$x-2$となる(それぞれの二次不等式は教科書レベルだね)。
 
それぞれの場合において、二段階目の小さい方の選択を考えることになる。
 
 
・・・ということで、具体的な解法は次回。今回はここまで。