会社の同僚と雑談をしていて、ときどき数学のテーマになると
「数学は興味はあるけどさっぱりだから、数学の本を読んでいると眠くなってくる」
という発言がでてくることがある。
一方で、月曜の朝とか
「週末リズム壊して夜寝れなくて今日寝不足なんだよね」
なんて話がでてくる。
ってことは、日曜の夜に数学の本を読めばいいよね。
ということで前回の続き。
問題
解説
(1)
二次関数の問題。頂点を求める作業は毎年のお約束だ。平方完成をすることで頂点の形は出てくるわけだけど、この辺の考察は過去にもしてるし、昔書いた電子書籍にもその点は記載したから参考にしてほしい(そろそろ新しい本書きたいな)。
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ということで平方完成を実施。
$y=x^{2}+(2a-b)x+ a^{2}+1$
$=\left\{ x+ \dfrac{1}{2} \left( 2a-b \right) \right\}^{2}-\left\{ \dfrac{1}{2} \left( 2a-b \right) \right\}^{2} + a^{2}+1$
$=\left\{ x- \left( \dfrac{b}{2}-a \right) \right\}^{2}-\dfrac{b^{2}}{4}+ab+1$
ゆえに頂点は(チ、ツ、テ)
$\left( \dfrac{b}{2}-a ,-\dfrac{b^{2}}{4}+ab+1 \right)$
(2)
このグラフが点$\left( -1,6 \right)$を通るときを考える。通るんだから、代入すると式の=が成立する。
$6=(-1)^{2}+(2a-b) \cdot (-1) +a^{2}+1$
この式には文字変数はもう$a$と$b$しかない。そして、$a$がどんな値のときに$b$が最大値になるのかが問われている。
以下、この先を戸惑ってしまった人へ。
↓ここから
この文字変数が$a$と$b$ではなく、$x$と$y$で表現されるものだったら,
教科書にあるような問題だと気付くのではないか。
ということであれば、これはつまり、「解ける」という仕組みの中枢に既視感があるということになる。とても低次元なレベルでの、みたことがあるから解ける、ということだ。
多分、数学ができない理由がここにある。
ボクらは具体的な問題の中から抽象的な手法や観点というものを獲得してかないと、一つの問題の解答を得ることで解けるようになる問題数がとても少ないことになってしまう。
文字定数なんて多くの場合はよくあるものが使われがちだけど、それ以外にも出題者のもつ背景や、ときには気分にも左右されるわけで、文字定数として何が使われているかということが問題の難易度を左右するように感じるのでは、問題の抽象化ができていないと言わざるを得ない。
じゃどうすればいいの?ということになるけど、そういう人に向けてこういうふうに考えながらボクは問題を解いているよというのがこのブログなので、役に立ててもらえればとても幸せだ。
↑ここまで。
$b=-(a-1)^{2}+5$
と平方完成した形で表現できる。二次関数の最大値問題だからグラフを描いて(イメージして)、頂点が最大値ということになるけど、ときには定量的なアプローチの目線で見てみよう。
$(a-1)^{2}$
のところは必ず正(というか0以上)なわけで、これにマイナス符号がついているから
必ず負(というか0以下)になる。ということは、ここが0のときが
全体的に値を減らす要因がなくなるタイミング=最大値
となる。
ゆえに$a=1$のとき$b$の最大値$5$となる(ト、ナ)。
最後に平行移動の問題。
そもそも二次関数で平方完成した形でなんで頂点がわかるんだっけ?ということにも繋がるが、少しおさらいをしておこう。
$y=x^{2}$
のグラフについてはボクらはよく知っている。これがどこかに平行移動したとき、例えば$x$軸方向に$p$、$y$軸方向に$q$移動したときを考えてみる。
移動した先の関数について、グラフは描けるかもしれないけど、式の方はどうなるだろうか。概略的にやることを整理すると
知っているグラフ → 平行移動 → 知らないグラフ
となっている。そして知らないグラフ上の点$x$と$y$の関係を知りたい。
ここでわかりやすく知らないグラフ上の点を$(X,Y)$と大文字で書いておく。この点$X$と$Y$の関係を明らかにしていこう。
もちろん知らないことを明らかにするためには、知っていることを道具として使う。今知っていることは、
$y=x^{2}$(知っているグラフ)
と
$x$軸方向に$p$、$y$軸方向に$q$平行移動した点が$X$と$Y$
ということだ。ということは、移動を戻せば$y=x^{2}$が成り立つということになる。
つまり
$Y-q=(X-p)^{2}$
が成立する。これを$Y$について変形すれば
$Y=(X-p)^{2}+q$
となる。これって$(p, q)$が頂点ということだ。
ってことは、さっき求めた頂点
$\left( \dfrac{b}{2}-a ,-\dfrac{b^{2}}{4}+ab+1 \right)$
に$a=1$と$b=5$を代入すればわかる。
それぞれ
$ \dfrac{b}{2}-a= \dfrac{5}{2}-1= \dfrac{3}{2}$
だし(ニ、ヌ)
$-\dfrac{b^{2}}{4}+ab+1 =-\dfrac{5^{2}}{4}+1\times 5+1 =-\dfrac{1}{4}$
と求まる(ネノ、ハ)。
今回はここまで。
句読点を, . にしようと試みるも早くも断念。IMEの変換が面倒。
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