【コラム】大人と長財布。腕時計。万年筆。 - 数学が好きなサラリーマンのブログ

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たまに会社で新卒や学生向けのイベントに呼ばれて交流することがあって、最近もそういう機会があった。

色々と仕事内容や会社の雰囲気を話したあとで質疑応答があってざっくばらんにコミュニケーションをとるのだが、時折出てくる変な質問が今回もでてきた。

「ペンはどういうものを使われていますか」

カンペ資料とともにたまたま持っていたペンはいつ手に入れたか記憶にないコンビニとかでよく売っているボールペンだったけど、それをそのまま見せた。すると

「普段はどこかの万年筆とか使われていますか？」

と聞かれた。

使ってないし、興味もないと答えたけど、質問の意図がわからなくて背景を聞いてみた。

どうやら優秀な社会人（年収が高いという意味とのこと）ほど高級なペンを使っている傾向があるらしく、学生のうちにいいものを買っておきたいらしい。安いペンを使うと自然と意識レベルがそういった水準になっていくことが背景にあって云々と（ボクが見せたペンのことは忘れて）解説をいただいた。

もう。なんと言っていいやら。

学生でなくても同種の社会人にでくわすこともある。金ないのに高級品で身を固め始めるとか、破滅への疾走としか思えない。

芸人でわざと高い家賃のところに住んで、自分を境地にとくみたいな話を聞くけど、似て非なる話だ。高いものを使うようになれば、自然発生的に意識レベルが高まって、結果年収が上がっていくという誤解をしているようにみえる。

年収が高い人が高いペンを使う傾向があるのは、そのままお金を持っていることが影響しているだけではないか。

よく聞く話で、

犯罪者の殆どがパンを食べたことのある人間だった。パンは人に狂気を呼び起こさせる食べ物だ。

とか

プロ野球選手には長男が多い。長男に野球をさせるべきだ。

とか起きた結果事象だけを見ていると判断を誤ることがある。パンはそもそも多くの人が食べているものだし、世の中には一人っ子で長男だけの家庭はあっても、長男を飛ばして次男だけの家庭はない（生存はさておき）。

データをとれとか、数的根拠を明らかにせよなんてことを耳にすることが多いが、それらの前提条件や仮説の立て方を間違えては意味がない。

いい万年筆買って、かっこいい腕時計買って、ブランド物の財布買って・・・なんてことをお金がある人がやりがちなのは当然で、それらを差し引いて（つまり所得は低いのに）そういう行動を取る人が、そのあとで高所得者になる傾向があるというデータが取れれば話は異なる。逆にその確認ができなければ、ただの投機或いは浪費でしかない。

・・・とここまで語っておいてアレだけど、形から入りたくなる気持ちはよくわかる。感覚的には、形から入って気分に浸るって意味がある気はしている。

さて、Mont Blancでも見に行こうかな。