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【問題解説】センター試験平成29年度本試験 IA 第2問 (2)

今回は第2問[2]データの分析です。

データの分析は他の分野と比べ、何かと毛色が違います。その中でも大きな違いは、とても具体的な事柄を扱うという点です。その為に他の分野ではあまり目にしない、面倒な数値計算が現れます。そしてその数値計算こそがデータ分析の肝といっても過言ではありません。

数値計算は、小学生の頃慣れ親しんだものではありますが、相変わらず今になっても面倒なものです。計算ミスをしないように、でも早く解くということを小さな時分に習いました

あの体力勝負のような行為は、今にして振り返ると少しナンセンスです。我々の受けた学校教育は大量消費の一環として取り扱われたせいか、画一的に、かつ場合分けを限りなく少なくするような手法を軸になされたような気がします。多くの生徒が理解し、確実にできるようなやり方でという側面からは仕方がない部分もあるのかもしれません。

それから中学に進学し、式の変形や展開、因数分解代数学という抽象数学の入り口に立って学んだ頃、早々に具体化してみるということを忘れ去ってしまった人が大多数です。

例えば、任意の数$a$、$b$に対して $$ a^{2}-b^{2}=(a-b)(a+b) $$ という因数分解はあまりにも当たり前な知識だと思います。でも、これがある数の2乗の計算を楽にするものという見方ができている人はどれだけいるでしょうか

$52^{2}$を例に考えてみます。因数分解の公式は2乗の計算が左に寄っているので $$ a^{2}=(a-b)(a+b)+b^{2} $$ と式変形します。$a$、$b$は任意なので、$a$を52とすると、$b$は自由に設定できます。右辺を見てみて、2数の和か差の計算が楽になるものを考えると$b=2$が思いつきます。

すると、 $$ 52^{2}=(52-2)(52+2)+2^{2}=50\times 54 +4=2524 $$ となります。特にここで $$ 50\times 54=50\times (50+4)=2500+20 $$ という分配法則まで使えるとより早いです。ここまでくると暗算でもいけるんじゃないかというレベルになります。

こんな具合に学んだ当たり前のことをしっかりと道具として利用できる態度があると、数値計算一気に楽になります

前説が長くなってしまいましたが、では問題へ。ここまで話しておいて、最初の問題では数値計算は関係ないです(T_T)

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ただ図を正確に読み取るだけの問題です。気を付けたいのは、
全体的な傾向を見るのか
存在をみるのか

という点です。

言われてみれば当たり前な観点ですが、間違うときはおよそこれらを入れ替えて考えているときです。

これって実は図表みるような問題では科目を問わず同じで、この2つの観点しかありません。あとはどう傾向を見るのかとか存在の探し方が多岐にわたるだけです。

で、この問題を考えると
相関関係を見るときは前者
最大・最小のような点の場所を見るときは後者
です。

順番にみてみましょう。

0:$X$と$V$との相関関係と、$X$と$Y$との相関関係の比較です。相関なので傾向を見ればいいですが、それぞれの図を比較すると、前者はそもそも傾向がみられません。よって正しくありません。

1:$X$と$Y$は、全体的に右上がりの直線上に分布しているので相関があるといえます。正しいです。

2:$V$と$X$の比較なので、左上の図を見ます。$V$の最大値の点は$X$が60付近に存在しています。ゆえに正しくありません。

3:$V$と$Y$の比較なので、右上の図を見ます。$V$の最大値の点は$Y$が50の少し上くらいに存在しています。ゆえに正しくありません。

4:$Y$と$X$の比較なので、左下の図を見ます。$Y$の最小値の点は$X$が60の少し下くらいに存在しています。もっと下にも点があるので、正しいです。

5:$X$と$V$の比較なので、左上の図を見ます。$X$が80以上の値の点で$V$が93以下の点が存在しています。ゆえに正しくありません。

6:$Y$と$V$の比較なので、右上の図を見ます。$Y$が半分より上で、$V$が94以上のエリアは点が一つも存在していません。ゆえに正しいです。

この問題は易しすぎて問題文を読めば自然と判断できるものばかりなのでちょっと味気ないですね。

恒例の最後に宣伝。よろしく。