整数論は暗号理論として、セキュリティ分野で世の中の役に立っている と数学の効能を説明したところでどれだけの人の関心を寄せられるだろうか。少なくとも高校時代の僕が聞いたら、頭がいい人が難しい分野で数学使ってるのねという程度にしか解釈できなかっただろう。
このブログの一つの基準として、数学が苦手だった高校時代の僕が読んで面白いと思えるものを書くということがある。
もっと身近なところでこの効能を実感してもらいたい。そんな思いを込めて、今回は合コンで使える数学テクをお伝えしたい。
例えば、男女3人ずつの合コン。なんとなくみんなで話すのも楽しいけど、他のメンバーが誰を可愛いと思っているのか気になることがあるだろう。
目配せしたり、箸の向きで合図を送ったりというのでもいいのかもしれないが、なんとなく相手側にバレてしまって場がシラケそうで怖い。
そんなとき、 2進数が効果的だ。
たとえば、可愛いを1 、それ以外を0 とする。
三人並んでいて、一番左から
可愛い 可愛くない 可愛い
とならんでいるとすると、
1 0 1
となる。これを 2進数とみると、右から$n$桁目に$2^{n-1}$をかけて、それぞれの数を足すことで10進数になる。具体的に計算してみると、
$$
1\times 2^{0} +0\times 2^{1}+1\times 2^{2}=5
$$
となる。
すると
可愛い 可愛くない 可愛い
と並んでいる情報をたった1桁の5という数に圧縮することができたことを意味している。
この5という数字だけを他のメンバーと共有できればいいわけだから、店に入って会話する中で最初に口にする数をこの暗号と事前に示し合わせておけば相手側にバレずに情報を共有できる。
もちろん 5から逆に情報を解凍することも可能だ。2進数だから2で割ってあまりを並べれば元の形が現れる。
$5\div 2=2 余り1 $
$2\div 2=1 余り0 $
$1\div 2=0 余り1 $
となるから、下から余りを並べて101とわかる。でもこれくらいなら、
$$
□\times 2^{0} +□\times 2^{1}+□\times 2^{2}+…
$$
のそれぞれの□に何が当てはまるか直接考えてみても簡単にわかるはずだ。
ちなみに応用編として、 3進数にすれば
可愛い 普通 タイプではない
と評価を細かくわけられる。
数学はけして高尚な舞台だけの道具ではなく、使おうと思えばこんなところにも活用ができる。
面白いでしょ?
で、恒例の最後に宣伝。よろしく。
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