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【問題解説】センター試験平成30年度本試験ⅡB 第1問

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今回からⅡBの解説編

 

年内までにはすべて終わること目指してやっていきたい。ⅡBはKDP(Kindle Direct Publishing)にしようなんて邪(よこしま)なことを考えたこともあったけど、センター対策くらいは世の中に貢献したいなと思ったので、これまでと同じスタンスで。

 

でもそのうち、KDPか何かで理科大対策本みたいなのは書いてみたいな。

 

ではさっそく第1問から。


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ⅠAのときは問題を切り取ってたけど、ⅡBはそのままページまるごとのスタイルでいくことをご容赦いただきたい。センター試験感がでるでしょというのがいいわけだ。

 

(1)最初の問題は、ラジアンに関する話。いわゆる弧度法ってやつだ。弧度法とは何かを理解していれば迷う問題じゃない。で、弧度法って何だっけ?というところに答えると、

ラジアン(英: radian, 記号: rad)は、国際単位系 (SI) における角度(平面角)の単位である。円周上でその円の半径と同じ長さの弧を切り取る2本の半径が成す角の値と定義される。弧度(こど)とも言い、平面角の大きさをラジアンで測ることを弧度法と呼ぶ。

Wikipedia

ウィキペディアの回答だ。正確かもしれないが、少しわかりにくい感は否めない。

要は、馴染みの360°といった角度表記とは別の角度の測り方の手法だ。

半径の長さが1の単位円において、円周の長さが1(=弧の長さが1)となる角度が1ラジアンで、その測り方のことを弧度法というわけだ。ちなみにこの単位のラジアン、今回は都度[ラジアン]と表記するが、通常は特に明記しない。

 

・・・いやいや、360°とかの表記でいいじゃんと言われそうだ。この弧度法、もちろんメリットがあって数学分野で重宝されている

 

で、そのメリットって何かというと、数学的なことで定義された測り方ということだ。これは真正面から話す前に、相対する360°とかの表記ってそもそもなんで一周360°何だっけ?という疑問を考えるほうが理解がしやすい。

 

これって、簡単にいうと歴史的なことから決まっている数字だ。興味ある人はググってみるといいが、数学的な根拠ではなくて、天体的な挙動をルーツにもっている。つまり、この記法から数学的に美味しい話は少ないということだ。

 

逆に弧度法は定義に数学的なことを使っているので、利便性が高い角度の情報が円周雨の長さと密接につながるので、一方がわかれば、もう一方は即わかることになる。

 

半径1の単位円の円周の長さが1(=弧の長さが1)の角度が1ラジアン

 

というシンプルな定義をしっかり抑えておけば、問題の選択肢の中で面積と記載があるものは見た瞬間除外できるし、②が正解であることも迷いがないはずだ。

 

 

 (2)定義を抑えたところで、具体的に使ってみましょうという問題。これ教科書レベルの問題じゃなくて、教科書の問題だよねと思ってみたり。

 

144°をラジアンで表記する。換算方法はこの角度計算に限った話ではなく、いつでも考え方は同じだ。換算する2つをつなぐ基本等式をベースに考える

 

例えば、為替の計算も同じだ

1ドル112円とするとき、5,000円は何ドルかを考えるときに

1[ドル]=112[円]

という基本式が成り立つ。これをベースに、右辺を5,000円にしたときの左辺を考えればいいわけだから、112で割って5,000倍すればいい。

$1 \times \dfrac{5000}{112} = 44.642 \cdots$

となる。

この計算自体はなんてことないと思うだろうが、この単位換算の一つの型(パターン)として 

自分の大きさ(112)で割って、作り出したい大きさ倍(5,000)

という計算はいつでも忘れずにいたい。自分の大きさで割って単位化し、任意の大きさに変換するという計算手続きは至るところで登場する。

 

で、この問題で何が基本式なのかを考える。=(イコール)でつないだ式なので、もちろん何かと何かが同じそれを表現することになる。

 

さて、角度の2つの測り方において、何が同じだろうか

 

°(度)の表記と弧度法の共通点を探るわけだが、弧度法は先述の通り定義が数学的なので使えるものははっきりしている。出てきているものは単位円の弧の長さだ。 逆に単位円の弧の長さと°(度)の表記の共通点がわかれば、等式が表現できる。

 

°(度)の表記は歴史的に一周を360°としているのであった。で、弧度法の場合、一周の角度は単位円の一周の弧の長さと同じだ。つまり、$2\pi$だ。これを式で書くと

360°=2 $\pi$ [ ラジアン]

となる。 これさえわかれば鬼に金棒だ

 

 144°の変換は、この基本式で左辺を144°にすればいいわけだから、360で割って144倍すればいい(自分の大きさ=360、作り出したい大きさ=144)。

$144$°$=2 \pi \times \dfrac{1}{360} \times 144 = \dfrac{4}{5}$[ラジアン

 ちなみにこの約分、分母分子がともに偶数だから2から頑張って割り算をやり始めてもいいのだが、144が$12^2$であることに気付けたら$360=12 \times 30$だから12で割ることから始めることができる

 

で、最後に$\dfrac{23}{12} \pi$[ラジアン]の変換。基本式で、右辺を$\dfrac{23}{12} \pi$にすればいい。

$\dfrac{23}{12} \pi$[ラジアン]=$360 \times \dfrac{1}{2} \times \dfrac{23}{12}=345$ 

となる。

 


今回はここまで。まぁ準備運動だねラジアンラジアン