先週日曜日の初耳学で、掲題タイトルのネタの話があった。
簡単にいうと
雨の日に傘を持たずに雨にあたる不快指数:20
雨じゃない日に傘を持ってて荷物になる不快指数:10
として、降水確率が40%のときに
$ 20 \times 40 \% = 8 $
となって荷物になる指数の10を下回るから傘持たない方がいいよねという説。
・・・いやいや。
林先生。期待値の計算、間違ってます。 別に揚げ足をとるつもりは全くないけど、間違った知識が広がるのもよくないのでブログネタにさせてもらいます。
期待値は確率と確率変数の積の和だけど、この和はもちろん自分が好きなだけ足せるわけではなくて、ちゃんと確率パートだけの総和が1になるようにしなければいけない。式で書くと、期待値Eは
$ E= \sum_i X_i p_i $
で、このとき
$ \sum_i p_i =1 $
が成り立っていることが前提となる($X_i$は確率変数、$ p_i$は$X_i$となる確率)。 そうすると傘を持たないときの期待値は(傘ももたず雨にも濡れずの不快指数を0とする)、
$ 20 \times 40 \% + 0 \times 60\% =8 $
傘を持つときの期待値は
$ 0 \times 40 \% + 10 \times 60 \% =6 $
ゆえに傘を持っておいた方が不快指数は低い、と逆の結論に。
林先生はこの傘を持つときの期待値を10としてしまっているので、確率を1として計算していることになる。傘嫌い一派の一員としては40%くらいじゃ持ってかないよという態度は賛同するところだが、でも指数はそれぞれ20、10とするならばそのとき残念ながら数学は我々の味方になってくれないようだ。

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