早めに更新するはずが年の瀬に・・。
明日もう一度更新してきりよいところまで進めるだろうか。
あるいは、本年もありがとうございました、として締めておくべきだろうか。。
念の為。本年もありがとうございました。
ということで前回の続き。
問題
解説
今回は(2)。
書いてある文章を素直に数式に翻訳してみよう。
$A$は$49$の倍数、$B$は$23$の倍数とあるから、
$A=49a$
$B=23b$
とかける($a$、$b$はもちろん自然数)。
で、これらの絶対値が$1$といっているから
$|A-B|=|49a-23b|=1$
となる。
ここで、絶対値の定義を確認しておこう。
$|x|=x$ ($x\geqq 0$ )
$|x|=-x$ ($x< 0$ )
というものだった。下の式は負の値に見えるかもしれないけど、$x< 0$ なので非負値だ。
つまり、絶対値とは中身を正の値で表す記号、と解釈できる。
これを今回の絶対値に当てはめて考えてみる。
$|49a-23b|=49a-23b=1$ ($49a-23b\geqq 0$ ) $\cdots$ ①
$|49a-23b|=-(49a-23b)=1$ ($49a-23b< 0$ ) $\cdots$ ②
となる。
ここで、①、②の両方の式を検討していくのが常套手段なのかもしれないが、そこはセンター試験、少しでも早く解けるのならば早く解いていきたい。そのために大切なのは、
同じ形(似た形)
がそれまでの問題に出てきていることを無視しないことだ。
$49$とか$23$という数値が出てきたこと、①の式の形が全く同じことについて、(1)と偶然重なったということは考えにくい。冒頭数式に翻訳するということからはじめた背景にもここへの意識があったりなかったりだ。
(1)を活かす観点で考えると、絶対値を外す選択肢のうち、①における答えはすでにでている。ということは、②については回答する欄がそもそもないから解なしになるしかない。
本番でやったら意味ないけど、その事実を確認してみよう。
確認手段は(1)と同じ思考回路で
$b=\dfrac{49a+1}{23}=\dfrac{(23 \times 2+3)a+1}{23}$
$=\dfrac{23a\times 2+3a+1}{23}=2a+\dfrac{3a+1}{23}$
ここで$a$は自然数だから、2項目の分数が整数でないと$b$は整数にならない。分数が整数になるということは、分子が分母で割り切れるということだからという理由だ。
では、$3a+1$が$23$で割り切れるかどうかはどう判断したらいいんだろう。毎度説明しているところの整数問題の整数問題たる所以の性質を使う。
それは$3a+1$の形からなんとなく見えている通り、余りに着目するということだ。
$3a+1$は$3$で割って余りが$1$である数、と解釈できる。
一方、分母の$23$は
$23=3 \times 7 +2$
だから3で割ると$2$余る数だ。
これらのことが意味するのは、$a$にどんな具体的な値をいれたとしても永遠に分母が表現するところの$3$で割って$2$余る数にはなりえないわけだから、割り切りようがないということだ。
ゆえに②を満たす自然数$a$は存在しない。でも、繰り返すけど、本番ではこんな検証しなくてもそもそも解答欄の数から、答えが出ないことは明らかだ(満たす自然数があったら答える欄がない)。
続いて絶対値が$2$となる場合を考える。$1$のときと同じように下のように表現してみる。
$|49a-23b|=49a-23b=2$ ($49a-23b\geqq 0$ ) $\cdots$ ③
$|49a-23b|=-(49a-23b)=2$ ($49a-23b< 0$ ) $\cdots$ ④
で、またも解答欄の形をみると、どちらか一方だけから答えが求まると予想ができる。ならば、丁寧に絶対値が$1$のときと同じ計算をするのは時間がもったいない。$1$が$2$になっただけなのだから、変わったところだけを意識すれば二度手間は省ける。
先程②を検証したときの式を振り返ってみよう(①で考えても可)。
$b=2a+\dfrac{3a+1}{23}$
これの$1$が$2$になったものが④だから
$b=2a+\dfrac{3a+2}{23}$
となることがすぐにわかる。
で、$a=7$とすれば
$b=2\times 7+\dfrac{21+2}{23}=15$
と答えがでてくる。
今回は、ここまで。

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