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【問題解説】センター試験平成31年度本試験ⅠA 第4問-4

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あけましておめでとうございます(今更)。

ついにセンター試験に去年の解説を追い抜かれてしまった。。。
まぁそんなことは気にせず淡々といこう。

ということで前回の続き。

問題

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解説

(3)このサイトでは割に横着な解き方をすることが多いけど、センターを素早く解くにはとても有効な手段には間違いない。
センターなんて、用意された箱の数だけ答えが出れば、それ以上の吟味は必要ない。要は見つけたもんがちだ。

 

ということで、こんなスタンスで解いてみよう。

 

まずは、連続する3つの自然数で、前2つと後ろ2つがそれぞれ互いに素であるときに、両端の最大公約数を求める問題だ。この最大公約数は1と何かしか存在しないと問題文は言っている。


例えば、

1,2,3
2,3,4

みたいな数字の羅列だ。


これをみると、答えは1と2か、と瞬殺だ。答えはこんなにも簡単に出るけれど、少し裏側も話しておきたい。

 

毎回出てくる話だけど、整数問題の整数問題と呼ばれる所以を確認しておきたい。整数問題が整数問題と呼ばれるのは、もちろん整数の特徴を用いて問題を解くためである。

 

では整数の特徴とは何か、ということになるけど、ここで整数論まで議論するつもりはない。毎度話している通り、とびとびの値であることや、四則演算のうち割り算をしたときだけ答えが整数とは限らないこと、余りという概念があることだ(細かいことは過去回参照)。

 

この余りというものには、周期性が存在している。何を今更な話だけど、自然数を1から順に2で割り算をすると、1余る数、割り切れる数が繰り返すし(偶数奇数が交互に並ぶ)、3で割り算すると、1余る数、2余る数、3で割り切れる数を繰り返す。もっと大きい数、1234なんて数をもってきても話は同じで、1余る数、2余る数、・・・、1233余る数、1234で割り切れる数を繰り返す。

 

これってどういうことかというと、自然数全体の集合から連続する任意の2つの数をもってくると必ず偶数奇数のペアになっているし、連続する任意の3つの数をもってくると、1余る数、2余る数、3で割り切れる数のセットになっているということだ。

 

ここで注意しておきたいのは、連続する$n$個の数をもってきたときに、この$n$個のいかなるペアにおいても、$n$以上の数で両方が割り切れるようなことはない(公約数を持つことはない)。これは周期性を意識してみれば明らかだ。$n$以上の数が2つの数を割り切るときには、$n$の余りの周期性から、その間隔は少なくとも$n$離れている必要がある。

 

こんな特徴を理解しておくと、連続する3つの自然数が登場すると、「3で割ったときの1セットか」と思えてくる。そしてもちろん3つが連続しているのであれば、2つ連続していることは前提となるので、偶数奇数のペアが包含されていることもわかる。

 

そして、この連続する3つの数の両端を割り切る数が3以上になることはないので、1か2しかありえないことが判明する。ということでは2。

 

次は
条件:$a(a+1)(a+2)$は$ m $の倍数である
がすべての自然数$a$で成り立つときの$ m $の最大値を求める問題。

 

さっきの考察の通り、連続する3つの整数なので、2の倍数と3の倍数を必ず含み、それ以上の数の倍数はどれか一つに当てはまるかもしれないし、当てはまらないかもしれない。どんなときにでも含まれている、2の倍数と3の倍数からなる数が求める$m$なので、
$m=6$
と求まる。は6。

 

今回はここまで。

 

センター試験過去問研究 数学?・A/?・B (2019年版センター赤本シリーズ)

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