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理科大入試で学ぶ数学講座 2020理2-(2)

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とんでもなく間があいてしまいました。まーそんな季節です。

問題

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解説

(2)
(a) 共有点の個数を求める問題。

知ってるよという人にとってはとても基本的なパターン問題なわけだけど、感覚と直感でどのパターンが当てはまるのかの精度を高める訓練はこのブログでは行っていない。

 

じゃどう考えるかというと、問われている

共有点

をどう解釈するかというところが出発点だ。

 

間違っても、頭の中で

キョーユーテン

と捉えて、思考の停止に陥るとか、なんとなく判別式という態度をとってはいけない。

 

$C_1$と$C_2$が点を共有しているところが幾つあるのかということを考えるわけだけど、そこには緩く表現すると

・絵をかいてみるアプローチ

・計算してみるアプローチ

がある。絵をかいてみるアプローチとは、グラフを書くとか図を描くとかで解答の糸口を見つけるもの、計算してみるアプローチとは式の計算(因数分解とか展開とか方程式を解くなど)で解答の糸口を見つけるものだ。

 

で絵を描く方から考えてみると、共有点を絵に描くということはつまりグラフを描くということなわけで、グラフの交わるところが交点であり、共有点となる。文字変数$a$と$b$が値を変えうるわけだけど、それぞれの値がどう変わったらグラフがどう変化し、それに伴って共有点がどうなるかということがわかればいい。

 

二つのグラフが離れている、接している、重なっているというそれぞれの段階において共有点の個数は変化する。では、その離れている、接している、重なっているという状態を数式でどう表現するんだっけということがわかれば答えはでそうだ。

 

ここで計算する方のアプローチを考えてみよう。

つまり二つの関数とそれらの共有点が代数学的にどのような表現で言い換えられるだろうか。それはあまり複雑な話はなくて、ひとつの点(共有点)$(x,y)$で二つの方程式が成り立つということなわけで、それはつまり

$$ax^2 +1= -a(x-2)^2 +b$$

が幾つ解をもつかということに落ち着く。

 

これは、二次方程式が幾つ解をもつかということなわけだから、判別式の大小で一気に計算ができそうだ。絵を描くアプローチも本質的には同じことをしているわけだから、考えていた離れている、接している、重なっているという状態が判別式とリンクしそうだなとわかる。

 

ということで実際に計算をしてみよう。

$$ax^2 +1= -a(x-2)^2 +b$$

$$2ax^2 -4ax +4a -b +1 =0$$

この二次式の判別式は

$$\dfrac{D}{4}=2a(-2a+b-1)$$

ここで、$a>0$なので

$b>2a+1$のとき2個

$b=2a+1$のとき1個

$b<2a+1$のとき0個

となる。

 

実際この問題は簡単だけど、そんなときこそどういう思考回路で答えにたどり着くのかという、一歩ひいたところで仕組みに目を向けてみる練習の材料にしたい。

 

ということで今回はここまで。