今回は、「Boy or Girl paradox」について。
内容は、こんな問題だ。
子供がふたりいる。一人は火曜日に生まれた男の子だ。 二人とも男の子である確率は?
直感的に考えると、男か女か
$$ \dfrac{1}{2} $$
というのは違うと気が付いても、曜日なんて関係ないじゃん的にコイントスと同じ考え方で、
(男,男)
(男,女)
(女,男)
(女,女)
として、このうち一人が男だとわかっているので、二人とも男である確率は
$$ \dfrac{1}{3} $$
と答えたくなってしまう。
ボクらが確率を考えるときに最も気を付けるべきは、
すべてのものは区別する
という態度だ。値を正しく求める、という上では重要な姿勢になる。
曜日という概念が出てきている以上、曜日別に区別するほかない。
つまり、二人の人間を性別だけで区別するのではなく、生まれた曜日も用いて区別して計算してみる。
具体的には、以下のように書き出してみる。
(男,月曜,男,月曜)
(男,月曜,男,火曜)
・・・
これって、
(男 OR 女,曜日,男 OR 女,曜日)
の組み合わせだけ存在することになるので、
$$ 2 \times 7 \times 2 \times 7 = 196 $$
通りある。
ここから、一人が火曜日生まれの男だとわかっているので、
( 男,火曜日,男 OR 女,曜日)
(男 OR 女 ,曜日,男,火曜日)
のパターンだけを考える。それぞれ14通りずつあるけど、
( 男,火曜日,男,火曜日)
は両方でカウントされてしまうから、全部で27通りになる。
このうち、
( 男,火曜日,男,曜日)
( 男,曜日,男,火曜日)
のパターン数が二人とも男となる場合となって分子にくるから、
それぞれ7通りずつあって、先ほどと同様
( 男,火曜日,男,火曜日)
は両方でカウントされてしまうから、全部で13通りとなる。
よって答えは、
$$\frac{13}{27}$$
これって、曜日の情報が入ることによって、
$$ \dfrac{1}{3} \Rightarrow \frac{13}{27}$$
となる(確率が高くなる)ことを意味している。
問題を見たときは、曜日なんか関係なくね、と思ったけれど、
確率という真実の値は、間違いなく曜日の情報で上昇している。
少し一般化して考えてみると、情報が増えると確率は増すのは明らかで、それが感覚的に自明なものでなくても構わない、ということだ。第三者にわかりにくい形でメッセージが伝えられるということは、まるで暗号のようではないか。