あけましておめでとうございます。
ちょっと更新しない間に、年を越してしまった。
・・・まーそんなことは気にせずに、久々の更新を愉しんでいこう。
ボクは何を隠そう、学生のころユークリッドの互除法が苦手だった。苦手といっても、使い方がわからないとか覚えられないとかそういった類のことではなくて、シンプルな事実を提示しているようで、なんだかすっと入ってこない感じがあったからだ(なんだそれ)。今回はその解消をどうしたかということを語りたい。
この記事を読んでくれている人の中には、ユークリッドの互除法ってなんだったっけ?と思っている人もいると思うので、そんな人にあの時のボクのもやっと感が伝わるようここで改めて紹介しておく。
ユークリッドの互除法の原理
自然数$A$、$B$(ただし、$A>B$とする)において、
$A$と$B$の最大公約数は、$B$と$R$($R$は$A$を$B$で割った余り)と等しい。
この原理を用いると、
$A$と$B$の最大公約数は、$B$と$R$の最大公約数
$B$と$R$の最大公約数は、$R$と$R’$の最大公約数($R'$は$B$を$R$で割った余り)
と繰り返し適用することができる。割り算なので、繰り返し適用していくと余りの数はだんだんと小さくなっていく。そして、やがて余りは1か0になり終わりを迎える。
余りが1になった場合は、もともとの2つの数の最大公約数は”何かの数字”と1の最大公約数に等しい、ということになる。ここで”何かの数”がなんであれ、相方が1である以上1よりおおきな公約数は存在しない。つまり、互いに素な2組だった、と結論付けることができる。
一方余りが0の場合は、最後の2組の数字が割り切れたことを示している。それはつまりそのときの割る数(小さい方の数)が最大公約数であったことに他ならない。脈々と受け継がれた最大公約数が最後割り切れて、正体を現すという仕組みだ。
ゆえに、だから便利だねってなるわけだけど、あの頃のボクはとはいえなんだかスッキリしなかった。そのもやもやの正体は、割り算の主役は商にある感じがするのに、その商がないがしろにされているところにあったと思う。
そこで、商を$C$として
$$ A =B \times C +R $$
の式と改めて対峙してみた。
この式で$A$と$B$の最大公約数が、$B$と$R$の最大公約数に一致するわけだけど、これを男女の三角関係のように解釈すると(?)
$$ A- R =B \times C $$
と式変形できる。そもそも最大公約数ってなんだったけと思い返すと、両者を割り切れるような最大の数、というものだった。割り切れるかどうかに符号は関係ないから、そんな目線でみると$A$と$R$は対称性がある関係だ。
恋敵かもしれないが、恋敵とはつまり、ある異性から見ると共通点があるということに他ならない・・・なんて例えはともかく、式の形から$A$と$B$を割り切るような数は$R$を割り切れないといけないし、$R$と$B$を割り切るような数は$A$を割り切れないといけない。
つまり、$A$と$R$に対称性があるんだけど、割り算の役割を与えられていることから錯覚して、$A$と$R$がまるで違うものにみえたり、タイプの違う商の不存在の違和感を感じたりしてたというわけだ。
こんなことを考えていたな、と今振り返ると、理解が悩ましいものはどのように解釈するかというある種当たり前なことをちゃんと考えてみるということが重要なのかもしれない。