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文字変数とサラリーマン

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予備校時代、某人気講師が愛用していた名フレーズで

「文字は死んで変域残す」 

というのがあった。変数による置換をするときに、つい新しい文字は自由な世界で動き回れると扱いがちだけど、死んだ文字の変域の影響は受けるよ、ってやつだ。

問題における具体例だとこの辺。

理科大入試で学ぶ数学講座 2019理1-10 - 数学が好きなサラリーマンのブログ

 

このフレーズはとてもわかりやすくていいんだけど、ひとつ注意しておきたいのが、死んだ後に変域残すってことは、死ぬ前からその変域もってたよね、ということだ。

 

数学全般で常に心がけておく事項として、文字変数はただそれだけで存在しない。必ず何かしらの集合に属している。問題解決に使う/使わないはあるけれど、忘れてはいけない事実だ。そしてその集合が順序集合である場合(順序がつけられる集合である場合)、ちゃんとそこまで意識しておくべきで、それがまさに変域なわけだ。

 

これってサラリーマンと似た境遇だ。出先で色々と頑張っているサラリーマンは、つい個人の力だけで稼いでいるぜ!と思いがちだけど、所属する会社は存在して、その会社によるいい影響や悪い制約から逃れることは難しい。この辺を無視してその個人を見ても、期待値通りには動けない理由がそこにある。 こんな数学の概念的なところって、数学が構造の科学といわれるだけあって、具体化した仕組みが実社会の構造に効いていて面白い。数学はそんなこんなで、実はボクらのまわりに溶け込んでいるのだ。