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英語を語る 3

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英語をテーマに久々の第3回。

 

前回も話したけど、英語の仕組みを意識しながら勉強をすると、それは遠巻きながら数学力の向上にも繋がっていると信じている(宗教)。ペラペラ話せる人にはナンノコッチャかもしれないけど、絶妙な英語力のボクにとっては、英語で悩むときの頭の中が数学で考えているときのソレと近い気がしているのが、その根拠だ。しかし、ボクはこれに関する明確なソースを提示できないので、これは一種の宗教だと思っている。

 

で。今回の具体的テーマは、「発音の省略」。

 

受験生の頃は、文法の仕組みが楽しくて色々と参考書を読み漁って勉強していた。受験が終わって大学生になると、とたんに英語は使わなくなって、学生時代に使ったのは数学の論文くらい。といっても、数学の論文なんてそんなに難しい言い回しなんて出てこないし、出てくる単語も似たようなものばかりだから、慣れてくるとそんなに英語を使っているなんて意識はなくなった。

 

そんな感覚が誤解を生んで、多少なりとも英語ができるんじゃないかと過信して外資系企業に入って色々と痛い目を見るんだけど、そんな中でも一番しんどかったのが英会話(リスニング)だった。

 

あんなに勉強したのにまじで聞き取れない。仲良くなった外国人を晩御飯に誘って、ゆっくり話してもらっても、6割くらいしか理解できていなかったと思う。それが悔しかった。

 

英語を毎日シャワーのように聞いていればすぐ身につくよ、なんてアドバイスを超たくさんもらったけど、買ってきた英語のCDを部屋の中で流していても、すぐにBGMになってしまって、なにも身についた気はしなかった。

 

そんなで結構苦しんだボクは、仲のいい外国人にゆっくり喋ってもらって、かつ聞き取れないところをカタカナで書いてもらったりした。

今でもよく覚えているのが、Rock'n'roll という言葉だ。カタカナではおなじみロックンロール。親切な友人は、これをRock and Roll(ロック・アンド・ロール) とバカ正直に書いてくれた。  

これ早く発音したら「Rock'n'roll」ってなるの?

と聞いたら、回答は「早く喋ってない。ロック・アンド・ロールなんていわない」

といわれた。そもそも書いてあるのに発音していないらしい。

 

このときの会話でピンときた、というとかっこいいけど、本当は結構なやり取りがあって一つの見解に辿り着いた。

’(アポストロフィ)のところって文字面的な省略記号で、それに合わせて発音していると思ったけど、真実は逆で発音しないところを’(アポストロフィ)で置き換えて発音に合わせた文字面になっていた。

 

そんなの当たり前だろ、と言われたらそれまでだけど、ボクが学生の頃は、

I am a boy.

これはamを短縮して書くことができて、

I'm a boy.

とかけると習った。でも、友人との会話でみえたのは、

I am a boy.

をそもそもアイマボーイって発音していて、それを表記すると

I'm a boy.

ってことだった。つまり、’(アポストロフィ)は文字面からきた省略記号ではなくて、発音からきた省略記号だった、ということ。

ロックンロールも

Rock and Roll

ロクンロール

と発音していて、それを文字に戻せば(発音していないところを’(アポストロフィ)に置き換えれば)

Rock'n'roll

となる。

 

ここから一般化して考えたのは(ここらへんが数学的な態度でしょ)、EnglishSpeakerはボクらが読んでいるようには英語を読んでいないんじゃないか、ということだった。

 

それまでは、学校で習った一つ一つの単語の発音をカタカナに置き換えて、文章ではそれを連続して読んでいた。

 

これが違っていたのか。

 

そこから発音に少し興味が湧いて本屋さんで色々買い漁っていたら、省略だけでなくリエゾンとか音節とか、諸々そもそも日本語と違う仕組みであることがわかってきた。

 

そう。カタカナに置き換えて、つなげて声に出しただけでは、発音の上ではまだ日本語だったのである。アイアムアボーイ。

 

そんなこんなで発音の大切さに気づいたボクは、これで聞き取れるようになるかもしれないと淡い期待を胸に、次の沼へと突き進んでいったのだった(つづく)