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選挙の候補者選びと命題の証明

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コロナが収束したとは言えない中、都知事選が行われる。
色々な角度から報道が盛り上がり、各方面の人がそれぞれの見地で色々な意見を発信するようになるのだろう。

 

立候補してくる人たちに対する論評や、各メディアの報道姿勢などアツい議論がいたるところで行われるんだろうけど、その前に僕なりの所感を論じてみたい。

 

各候補者がどんな政策を持っていて、任期のうちにどんなことをしようと声高に主張するだろうか。
有権者はこぞって耳を傾けようとする一方で、メディアせいですべてが聞こえてこないと嘆く人たちがきっとでてくる。

 

数学に例えるならば、政策は自身が証明可能な命題といったところかな。例えば、新型コロナウイルスの対策案や、延期された東京オリンピックの対応などは、立候補者にとっては証明可能な命題のようなもののはずだ。

 

そして、この命題を解けばこんな命題にも応用できるとか、この命題を解かないと、こんな悲惨なことがあるという話が街頭の各所からきっと聞こえ始める。
でも、命題を掲げたならば、その肝心の「証明」部分、いわば達成へのプロセスは明示できるのだろうか。

 

証明の道筋を示さずに、この命題は証明できた、なんて発言することは数学的にはフェルマー以外には許されないと。でもいつだって、危機感を煽ったり、とってもざっくりとしたところだけに触れたりはするけど、緻密な論理で事前に証明に挑む人はなかなか現れない。
でも、それはけして証明しない人たちが間違っているわけじゃなくて、誰もが納得する論理は、現実的なものであるべきで、事前に正確に描くのは不可能に近い。

 

選挙時点において、立候補者が知りうる情報は完全情報ではない。自身が当選したときにある環境や政策を準備するのに必要なプロセスのすべてを事前に把握することは少なくとも経験者でなければ難しいはずだ。それが仮に二期目の人だとしても、一期目の政策実現状況が参考にはなっても、任期中どのような事態が発生するかはわからないわけで、選挙をする時点で政策とその実現性のしっかりとした主張を期待する方がずれている。

 

政策が現実味を帯びていないといけない反面で、事前に達成プロセスを詳らかにすることは困難だ。ここをどう見極めるかの判断が有権者有権者にヒントを与えるメディアの領分になる。

 

一つの打開策として、候補者のバックボーンから推察することがある。単に政治経験者という肩書だけで政策の実現に現実味があるとは言い切れないし、敏腕な経営者だったとしても営利目的ない分野にどこまで食い込むことができるかは未知数だったりするけど、こういったことをもっと深堀して、人物としての傾向を見極められれば、政治的方向性とそこに対する対応力の判断材料になるのではないか。

 

テレビの中の人たちは毎度政策を議論しようなんて真っ当に思えることを訴えるけど、その有効性なんて実際のところはやってみないとわからないんだから、各候補者の人柄ややってきたことでその人の政治的方向性と対処力を斟酌して、投票先を決めることのほうが有意義だと思えてくる。

 

長々と講釈たれてしまったが、見えないモノを見ようとするのではなく、見えないモノは見えないとして、見ずにすむ手立てを考えるほうが選挙のときは有効なんじゃないか。少なくとも命題に真とか偽とか印を押すためには、情報が完全に揃ってなきゃどうしようもないはずだ。

 

なんて。今回は偉そうに政治を語ってみた。