今回は久々書評編。
自由に働けばいい、好きなことをして生きていくべきなんて言うけど、なかなかそんな風にはできなくて、日々サラリーマンとして頑張っている人は少なくない。中でもアサインされた全てに全力投球して、結果がそれなりにしかついてきていない人をみると少し残念に思えてくる。
全てで100点を取るんじゃなくて、自分の得意分野や自信のあるところでしっかりと100点を抑えていく。その為には、その他の幾つかのタスクについてはクオリティをコントロールすべきというのが持論だ。
多くのものはそれなりの時間を割けば8割までは比較的容易に辿り着ける。パレートの法則とか考えてみても残り2割が重要だったりするわけで、8割は誰でもできることだから大して価値を持たない部分とも捉えられる。でも、8割やっていれば、サボっているとは思われない。ゆえに興味がない仕事を8割に抑えるための、「頑張らない時間」のコントロールが重要なんじゃないかと思い始めたこの頃。
2割が重要で、8割がサボってませんというパフォーマンスの為ならば、逆に言うと存在感さえ出しとけば7割とか6割の出来でも問題ないはずだ。
そんな折、見つけたのがこの本。
いろんなビジネス本出てるけど、この角度で手法の説明がされているのは珍しい。力を抜いてごまかすのも技術なんだなと。
例えば、「%(パーセント)を分数で言い換える」というのがある。
消費税が8%から10%に変更になったときに色んな会社で消費税率変更プロジェクトなるものが立ち上がったに違いない。会社によってはパラメータを変えるだけという、なんとも簡単な作業をするだけにも関わらず、上が変更仕様を理解していないから律儀に大層な会議を立ち上げたりする。
「こんな会議、無駄じゃないですか」
と会議裏で業務の非効率性について延々愚痴をこぼし、会議中ふてくされる人もいるけれど、
「10%ってことは、購入代金の1/10税金として収めるようにするというわけですね」
と中身のない発言を言い放ち、席に戻ってサクッとパラメータを変更すれば、会議の主催者は満足してくれる。
無駄なことには時間を使わない。頑張らない時間を、結果を出してる感じに振る舞う。そんなことを具体的に教えてくれる名著だ。