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【コラム】定量化作戦の失敗

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今回は、この問題から。

 

友人3人で900円のものを300円ずつ出しあって買おうと考えた。
お店でレジで商品を出したところ、店員はこの商品をみて500円引きできると店長に言われたことを思い出した。
そこで店員は200円をポケットに入れて、300円割引で、1人100円ずつキャシュバックできると説明した。


ここで整理する。

500円割引はキャッシュバック金と店員のポケットにあるお金に分割される。

このキャッシュバックを加味すると、1人あたりは200円の出費になる。つまり、3人で600円だしたことになる。

ここに店員が盗んだ分の200円を足すと800円。

もとの金額900円に戻らない。なぜだろうか。

 

わかる人には簡単にわかるだろうが、悩んでしまう人もいるはずだ。

 

ビジネスの世界においてロジカルシンキングという言葉が飛び交うようになって久しいが、ロジカルシンキングが単に空中戦の言葉遊びにならないためにも、自分の論証力が正しいものなのか、ときには数学の問題を解くことを通して確認してみるのはどうだろうか。

 

ある問題を定量化して考えるとき、ときにその行為を分析と呼ぶ。分析とはそもそも読んで字のごとく、分けてバラバラして考察することだ。

 

 ビジネスの中では、こういったときにMECEで考える。漏れなく、ダブりなくという考え方だ。あくまで考え方なので、そこからそれを実践するための手法と話は展開することも多々あるが、基本は漏れなく、ダブりなくということだ。

 

その観点からこの問題に出てくる数値を分析することに戻ってみる。わけてバラバラにするときには、感覚的に数値を扱うのではなく各数字の意味を押さえながら漏れなく、ダブりなくということを片隅に意識しておけば、何がおかしいかに気付くのはたやすいはずだ。

 

ちなみに、この問題の答えがわからない人のために少しヒント。
起きている事象を素直に式で考えてみる。
900=400+500=400+200+300
である。これから、3人がだした600円は何を意味しているだろうか。

 

このヒントでもわからぬ人へ。くれぐれも詐欺にかからないことを祈る(或いは、この本を読むことをオススメしたい)。 

コクヨの5ステップかんたんロジカルシンキング

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