数学が好きなサラリーマンのブログ

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【書評】多くの場合、真実はシンプルだ。

超久々に書評をお届けしたい。

今回紹介する本は、この本。

What Every Man Thinks About Apart from Sex

What Every Man Thinks About Apart from Sex

 

 洋書だが、どんな人でも読むことができる良書だ。

 

ボクらは誰もが偏見という名のメガネをかけている。だれもこれをハズすことはできない。あの人はお金のことばかり考えているとか、この人は上司に胡麻すって出世のことばかり考えているとか。でもそんなことはないんじゃない?と筆者はささやく。

 

毎日、仕事のことを考え、数学を愉しみ、ときに政治を議論する。日々を生きるのになんと多様な知識が要求されるのかとつい思ってしまいがちだが、この本の中でそのことは明快に否定される。ボクらは毎日色々なことを考えているようで、実はそんなもの考えているうちには入らないと言わんばかりだ。

 

行間から筆者の思いを読み取る。あなたがそんな技術の持ち主ならば、この本から得られる情報量に圧倒されるに違いない。筆者は語らぬ隙間で雄弁で饒舌だ。見事に読み手の心理を見抜いたその手法は、自発的な思考を喚起させるのに強力に機能している。

 

この本のメッセージ性がこれほどまでに強烈なのは、その主張のシンプルさにある。とても興味を惹かれるタイトルに対する著者の答がかつてないほどにシンプルなのである。それゆえに読み手の心にストンと落ちる。思わずウマいと口にしてしまったほどだ。

 

多くの場合において、真実はきっとこれくらいシンプルなのだと思ったけれど、そんな感想さえこの本は否定しているのだとふと気付き、ボクは本を閉じた。

 

 

注) 本書は全ページ白紙。