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【問題解説】センター試験平成29年度本試験 IA 第2問 (4)

第2問ラスト。

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図表をみて解く問題です。以前にも話したとおり、図表をみるときの観点は大きく以下の2つがあります

  • 全体的な傾向を見る
  • 存在を見る

この問題では、$X+Y$の最小値が108.0であることが新情報としてあります。せっかく与えられたのに使わないなんてことはないので、活用することを考えてみます。

この最小値の情報を上述の2つの観点のうちどちらかの目線で使うことになります。とはいえ、最小値の傾向なんて意味不明なので、明らかに存在を見ることになります。108.0が最小値としてちゃんと存在しているかというところを図で確認します。

順番に見てみます。

A: 105.0〜110.0の範囲からデータの分布がはじまるので、108.0が最小値となり得る

B: 100.0〜105.0の範囲からデータの分布がはじまるので、108.0が最小値にはなり得ない。

a: 箱ヒゲ図が示す最小値の線が105.0〜110.0の範囲に存在。108.0が最小値となり得る

b: 箱ヒゲ図が示す最小値の線が100.0〜105.0の範囲に存在。108.0が最小値となり得ない。

これらのことから、A-aの組み合わせが正しいことがわかります。つまり、A-aが1回目の図表、B-bが2回目の図表というわかりやすい配置になっています。

続いても図表を見る問題。ルールブック(教科書)で箱ヒゲ図のルールを頭に入れていれば、あとは各々比較して確認する作業です。 ポイントは国語的観点になりますが、比較の日本語文気をつけることです。

…と言われて、あなたは何をしますか?数学以外でもこの気をつけましょう的なアドバイスはよく出てきます。

例えば、ミスが多い人に対して、気をつけましょうとアドバイスをしたとして、意識しただけではミスはなくなりません。意識してもミスをするから、ミスが多い人なんです。

ではどうするかというと、以下のどちらかです。精神論ではなく、ちゃんと策を講じられるなら、講じるべきです

  • ミスをしても絶対気付けるような仕組みにする

これは追加作業をすることで検知する仕組みを持つことです。代表例でいうと検算がまさにです。

  • そもそもミスをしない仕組みにする

これはミスをしそうなものに対して、それを回避するような別の手段や方法を取ることです。純化するという行為が最も汎用的でパワフルです。

問題に沿って考えると、大きい/小さい比較の判断を間違えないようにしたいわけで(ミスを絶対しない自信がある人を除く)、その策を考えてみます。

この判断を間違うというのは、日本語文を読み間違えるということに他ならないので、これを追加作業で防ぐというのは策が思い当たりません。

一方、日本語文を純化すると言えば、文を最小構成で考える(=主語述語だけを考える)というやり方があります。

問題の選択肢のうち、①を例に考えてみます(別に最初の0でもいいけど)

$$ 1回目のX+Yの中央値は、2回目のX+Yの中央値より大きい $$

邪魔な要素を落とすと

$$ 1回目のX+Yの中央値は、大きい $$

となります。比べる相手はどうあがいても2回目しかないので、そんな情報は取り去ってしまいます。すると、1回目のX+Yの中央値が大きいのかどうかみればいいことがわかります。箱ヒゲ図の箱の中に引かれた線が中央値なので、上下見比べると明らかにaの中央値の線が右側、つまり大きい方にあることがわかります。ゆえに答えは①とわかります

他の選択肢もただ見比べるだけなので、超簡単に正しくないことがわかります。ミスにだけ気をつけましょう

恒例の最後に宣伝。よろしく。